自治体法務の備忘録

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ポスト分権時代の政策法務へ

 「自治体法務NAVI」誌(第一法規)に連載の「分権時代の自治体における法務管理(金井利之教授)」が最新号(Vol.57)で最終回を迎えました。

 本連載は今回をもって終わる。各回の報告にあるように自治体の法務管理のあり方は、極めて多様である。法的専門知識は全国統一であり、法令もそうではあるし、条例には自治体による個性はあり得ても、現実には画一的・標準的な条例も多く、また、自主条例であっても、裁判所での解釈は一元化される。このように、法的資源それ自体は極めて画一的・集権的な性格を持っているにもかかわらず、法務管理の実務は多様であるのは興味深い現象である。
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 法務管理の多様性については、その多くが経験則に基づく背景があるのではないでしょうか。この点、中央省庁でも同様でしょう。
 一方で、例規のデータベース化など電子化を主体とした業務の改善も行われており、一層の業務の改善と向上が期待できる余地があると言えるかもしれません。であれば、現在の多様性は、切磋琢磨の過渡期とも捉えることができるのではないか。
 個人的には、連載の終了に当たって、これが当市が取り上げられることはなくなったと密かに安堵、いやごほんごほん。*1
 なお、同連載で聴取した各自治体の取り組みをもとに鈴木潔先生(聖学院大学)がまとめられた「不正な行政活動の防止と信頼確保ー庁内法律相談の内部統制機能ー」(「政治・行政への信頼と危機管理」(芦書房)収録)は、法規担当が行う法律相談について俯瞰的な視点から切り込んだ興味深い論考です。機会あればご一読ください。*2

*1:「数年前までいたkei-zuなんてのが、面倒臭かったんですよ」なんて現役の方に言われたら、たまらないじゃないですか(汗)

*2:拙著の法律相談に関する記述でも参考にさせていただきました。