我々が戻る場所はもうない
パナソニックと言えば、私たちの世代にとっては家電の一流ブランドです。変更前の「ナショナル」の社名は、家の中に徐々に増えていく家電製品に誇らしく輝いていました。
ところが家電はデジタル時代を迎え、世界的な競争の中で、日本の名だたるメーカーは苦しい経営を強いられることになりました。そんな中、パナソニックは、「B to B」と呼ばれる企業間事業に主軸を移していくというのです。
今年3月の決算で黒字を確保し、構造改革の目処がついたと評されるパナソニックについて、経済誌の分析が興味深くありました。
「パナソニックはいま、復活の何合目にいるのか?」
津賀らしいリアリティのある言葉が即座に返ってきた。
「山の頂をどこに置くかによっても違うが、元来復活とはどこかに戻るという話だ。経営理念や創業の理念のように心の中には戻る場所があるが、事業の実態や数字において我々が戻る場所はもうない。(後略)」
http://diamond.jp/articles/-/59643