自治体法務の備忘録

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財政課に赴任された方への参考書

 いささか旧聞に属しますが、「地方自治職員研修」誌4月号の特集「自治体職員の勘所」が非常によい企画でした。副題に「"先輩"職員が伝授する○○課の流儀、××課の心得」とあります。
 「財政課職員の心得」では、所沢市の肥沼位昌さんが執筆されていますが、紙面が限られてか、書籍のご紹介が神野直彦先生の「税金常識のウソ」のみでありました。
 肥沼さんほどの経験も実績も私にはありませんが、ここでは、財政課に赴任されたばかりの方へご参考に、私からも書籍を何冊か紹介させていただきましょう。

自治体財務の12か月

自治体財務の12か月

 赴任されたばかりの方は、これで年間の仕事の流れを確認いただけたらと思います。財政課は1年サイクルの仕事が多いのですが、それぞれに時間的猶予があまり無いことが多いので、あらかじめ心積もりをしておくと、混乱を防ぐことが出来ると思います。
財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

財政のしくみがわかる本 (岩波ジュニア新書)

 高校生向けの解説ですが(だからこそ)、わかりやすく財政について説明されます。
自治体職員が知っておきたい財務の知識

自治体職員が知っておきたい財務の知識

 会計・契約を含めた実務的な知識であれば、この本がわかりやすい。 予算についての実務的な初歩の知識であれば、この本がおすすめ。繰越明許・継続費・事故繰越し・債務負担の説明は、私が見た中で、もっとも分かりやすく書かれています。
一番やさしい公会計の本

一番やさしい公会計の本

 話題の「公会計」については、この本が読みやすくわかりやすい。
実務から読み解く 地方財政入門

実務から読み解く 地方財政入門

 仕事がわかってきて、ちょっと読み応えがある本が読みたくなったら手を伸ばしてください。目のウロコがぼろぼろ落ちます。
日本の地方財政

日本の地方財政

 上記の「実務から読み解く地方財政入門」で興味がわいたら、次はこの本を読んでみましょう。直ちに実務に直結しないかもしれませんが、ものすごく良い本です。
六訂 地方財政小辞典

六訂 地方財政小辞典

地方財務ハンドブック 第5次改訂版

地方財務ハンドブック 第5次改訂版

 座右の書として置くべきがこの2冊。困ったり、戸惑ったりしたときに頼りになります。
 なお、冒頭にお名前を出させていただいた肥沼さんのご本も最近改訂されました。
図解よくわかる自治体財政のしくみ

図解よくわかる自治体財政のしくみ

 図表が分かりやすく、刊行されたばかりの「自治実務セミナー」7月号に掲載に拙稿(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20150629/p1)に、その一部を引用させていただいております*1。<(_ _)>

*1:引用元は、改訂前の書籍です。