法学のお作法
- 作者: 吉田利宏
- 出版社/メーカー: 法律文化社
- 発売日: 2015/09/03
- メディア: 単行本
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一読して、ああ、私が大学の1年生立った頃にこの本があれば、法律を学び始めるにあたって戸惑いは少なかっただろうなあ、と今の学生や初学者の方を羨ましく思いました。
全体の構成は3つに分かれ、「法律学習の作法」「法律の常識」「法律の役割」とそれぞれ標題が付けられています。
「法律学習の作法」では、法律を学ぶ必要性と、リーガルマインドの意味、法律用語の初歩的な内容などが解説され、「法律の常識」では、法律の種類や制定過程などの説明、「法律の役割」では、民法や刑法、健康保険法などをとりあげて、私たちの生活に対する法律の意義や作用について説明されています。
記述は幅広い内容ですが、吉田さんの語り口に読む苦労はありません。そればかりか、立法の実務に携われたご経験によるトリビアが興味深く。飲み会でたまたま隣り合った人が法政局職員である確率は、年末ジャンボ空くじで100万円当たった人である確率より低いとはね。
法律は押し付けられるものでもなく、使われるものでもなく、人生をそして社会を豊かにするために使うものです。
「はしがき」より
各記述内容には、知識を深めるためのブックガイドもあり、法知識の扉を開くには絶好の良書です。