帳簿の世界史
- 作者: ジェイコブソール,Jacob Soll,村井章子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/04/08
- メディア: 単行本
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複式簿記がイタリアのジェノバを起源にするなど、興味深い情報が満載。資本主義はイギリスで、民主主義はフランスで生まれたと端的な説明を聞いたことがありますが、複式簿記はイタリアで生まれたのですね。
2月には、上野で開催されたボッティチェリ展を見に行きましたが(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20160304/p2)、そこで見たメディチ家の肖像に描かれた北方ルネッサンスの立役者が商売の発展に簿記を活用していたなど、個人的に興味ある美術史との関係も相まって面白かったです。
キリスト教が席巻する中世においては、複式簿記は信者の「罪」をも記述する意味があり、オランダにおける貿易の発展とプロテスタントの伸長を背景とした簿記の広がりについても、ううむと唸るばかり。
行政論としては、アメリカの独立戦争やフランス革命の背景にあった簿記の役割も勉強になりました。
直ちに公会計に役立つものではないですが、読んで損はないです。