自治体法務の備忘録

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ミクロとマクロと分権と

 「自治実務セミナー」最新号に掲載されている、松本英昭氏(元自治事務次官)のご講演「地方分権推進法の20年と地方分権の今後の展望(上)」が非常に興味深い。

小西砂千夫先生が、自分は経済学者だから、ミクロとマクロの議論がよく分かっているが、ミクロをいくら積み上げてもマクロの改革にはならないとおっしゃっていました。
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 そして、分権改革などはミクロの改革で素晴らしいものを積み上げただけでは、それが地方分権全般や地方自治の充実・強化といえるほどの評価を得ることは難しいのではないか、マクロのことを意識して改革を進めていかなければ、地方自治の充実・強化は実現しないと語られます。
 幸いにも、かながわ政策法務研究会でご講演に参加させていただいておりまして、上記のご発言には「ううむ」と唸りました。当時は財政部門に所属していたこともあり、小西先生の地方財政論に触れていた背景もあります。
 であれば、マクロのための議論をどのように起こしていくべきか、またそれはどのような内容であるべきなのかは、私たちが現状を分析の上で検討していかなければいけません。