自治体法務の備忘録

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新訂 自治体法務入門

新訂 自治体法務入門

新訂 自治体法務入門

 木佐茂男先生(北海道大学名誉教授、九州大学名誉教授)がご掲載の記事から

 8月26日付けで、田中孝男・木佐茂男(編)『新版 自治体法務入門』が刊行されました。出版社は、「ぎょうせい」から、公人の友社に変わりました。
http://tabushi.cocolog-nifty.com/platz/2016/09/post-ddf4.html

 ご紹介が遅れましたが、自治体法務の草分けの名著が新訂版として刊行されました。

 ようこそ<自治体法務>の世界へ!
 この本は、市や県などの自治体にいわゆる正職員として採用された方々など若手の方を念頭において、法的な考え方や基礎的な法知識を身につけていただくことを目的として作成したテキストです。
(16頁)

 私が法規担当に赴任したのは平成13年ですから、手に取った本書は第2版になります。地方分権一括法の施行直後であり、政策法務が声高に唱えられてはいても、当時は参考書も十分ではなく、法規担当として途方に暮れていました。
 そんな中、「ようこそ!」と語りかけてくれた本書には、励まされる思いがするとともに、暗い道に光明が指す心強さを持ちました。
 その後の第3版を経て、この度の新訂版では、今年4月に施行されたばかりの改正行政不服審査法などの最新の情報も記述されたほか、全編にわたって改稿が行われています。
 本書が現場を支えるための「法務入門」であることは、目次の章立てを見ても確認できます。

第1章 地方自治自治体法務
第2章 自治体職員ならこれくらいの法務能力を
第3章 自治体行政の組織はどうなっているのか
第4章 自治体の情報は住民の<財産>
第5章 住民と対話する行政
第6章 トラブルの解決も法に基づいて行う
第7章 行政上の義務は職員にも住民にも
終 章 これからの自治体法務を担う人々へ

 法令や判例の調べ方について解説された、付録「創造的な情報収集に向けて」には、以下の記述があります。

 法の解釈は、どこかにあるものを探し出してきて当てはめてすむものではなく、実践するものです。注釈書も判例も学説も、あくまで、よりよい法の解釈のための参考書・マニュアルでしかありません。
(271頁)

 あの頃のように、本書の記述は、今の私の胸も熱くさせます。