自治体法務の備忘録

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公務員の「異動」の教科書

公務員の「異動」の教科書

公務員の「異動」の教科書

 組織人に人事異動はつきものです。特に自治体職員は、異動場所によっては職務内容が激変しますから人事異動をプレッシャーに感じる方も少なくありません。
 本書は、出版以来好調な売れ行きの「公務員1年目の教科書」を書かれた著者による「異動」のための指南書です。
 表紙には「若手・中堅から、課長まで必読!」とあり、人事異動に関してだけでなく、著者による「仕事の指南書」といって良い内容です。

若手のうちは、必ずしも目標に達しなくてもよいのです。若手の課題は、より高い目標に到達する力を伸ばすことだからです。
(100頁)

 この記述には、励まされる若手職員が少なくないのではないでしょうか。私の歳になってしまうと伸びしろは少なくなってきますが、励まされたのは以下の記述です。

「弱み」は克服するのが一番ですが、実際にはすべての分野で満点は取れません。「強み」を磨くということは、業務に支障を来すレベルでなければ、「弱み」を「弱み」と認めてしまい、「強み」に力点を置くことでもあります。
(164頁)

 実際に上司や部下の皆さんに助けていただいている我が身を振り返って、心に響く言葉です。
 実用的な異動の指南としては、引継ぎには十分な時間をかけること、普段から書類等のデータは整理しておくこと、異動先でも当初はトルクの太いローギアで仕事を進めるよう心がけることなど、そうそう、なるほどと唸らせられます。
 前著に引き続き、多くの方の手に取っていただけたらと思います。