「公務員の「出世」の作法」
- 作者: 堤直規
- 出版社/メーカー: 学陽書房
- 発売日: 2018/10/18
- メディア: 単行本
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「1年目の教科書」は、もはやベテランの域に達した私にとっても参考になるものであり、「異動」は、あらためて自分が携わる仕事の見つめなおす契機になりました。
今回の「出世」は、著者の言葉を借りれば、「公務員にとってNGワードの1つ」であるそうです(「おわりに」より)。
しかしながら、著者が「出世」について説明するのは、単に「役職が上がること」にとどまらりません。
「出世」には、(1)組織内での地位(昇任)と(2)世間における知名度(信頼)という2つの側面がありますが、公務員として長く働けば、何らかの形で組織・地域・関係者の間で知られる存在となってきます。このため、公務員にとっての「出世」とは、自分がどのように組織・地域・関係者と向き合うのか、そして、今後どのように幅広い方々の信頼を獲得して「大きな仕事」をしていくのかということに他なりません。
(「はじめに」より)
なるほど、私が尊敬する自治体職員の方々も、それぞれ「大きな仕事」にかかわれていらっしゃる方が少なくありません。
何より著者の堤さんが「大きな仕事」をされていらっしゃる方ですから、記述の内容は励まされるものばかりです。中でも、
- 「人」と「縁」を大事にする(39頁)
- 「明るさ」と「礼儀正しさ」を武器にする(56頁)
- 「落とし穴」から目をそらさない(153頁)
などは、わが身を顧みて、大きく頷くものがありました。
なお、本書では「専門を究め、エキスパートとして著作・講演等で活躍する」公務員として、私の名前を挙げてくださっています(19頁)。
とはいえ、読み進むほど、自分に足りない点も気づかされるわけで、嬉しさとともに申し訳ない気持ちも出てきたことは、ちょっとだけ告白しておきましょう(^-^;
多くの方に、本書を手に取っていただけたらと思います。