「法律を読む技術・学ぶ技術」改訂第4版
「自治体の教育委員会職員になったら読む本」
教育行政に橋頭保が築かれた。過言ではなく、そう思います。
市町村の教育委員会は、首長部局から独立した執行機関である一方、県費負担教員など県教育委員会の関りも大きい。
これらタテ・ヨコの行政運営の複雑さに加え、仕事場では役所で採用された「行政職員」と教員出身の「教育主事」が席を並べます。
教育行政の現場への赴任者は、行政職員であれ教育主事であれ、戸惑いは少なくないでしょう。
本書は、法律上の制度の仕組みから学校におけるトラブル対応まで幅広く説明します。政令市教育委員会の法制担当を務める著者の指摘は、実務的でわかりやすい。
教育行政に対し、住民の期待は大きいのが現状です。
円滑な業務遂行のために本書が広く活用されることを期待します。
「ゼロからわかる! 公務員のためのデータ分析」
「業務の「ヒヤリ!」を解消する!公務員の法的トラブル予防&対応BOOK」
書名に「法的トラブル」とありますが、その意味は「法に基づいて処理される紛争とその背景にある違法、不当、不適切な行為」であると著者は説明します。
住民対応や情報漏洩のほか、職員不祥事やハラスメント、交通事故など取り上げられる範囲も幅広い。近年は事例が多くなってきた審査請求や行政訴訟についても手順が丁寧に解説されています。
イラストが多く読みやすい構成なので、若い人に読んでいただけたらと思います。中堅職員やベテランの方も知識の確認にも役立つ内容です。
「イメージコンサルティング」を経験しました。
このたび、元東京都職員の古橋香織さんにイメージコンサルティングをしていただき、その顛末について執筆の機会を得ました。
記事に掲載がある「パーソナルカラー診断」は、ファッション分野で近年注目を浴びているそうです。記事では、古橋さんの新刊である「公務員男性の服」のご紹介もさせていただいています。
50代のおっさんのささやかな冒険譚をお楽しみいただけたら幸いです。
当日は診断に引き続き、私のスーツ購入にもアドバイスをいただいたのですけれど、コンサルティングの舞台裏について、古橋さんもご自身で記事を書かれています。
私自身、身なりは無頓着なところがありますので、貴重な機会でした。ご興味ある方は、併せてお読みいただくと興味深いと思います。
執筆のためのささやかな心構え(kei-zu風)
文章の書き方は人それぞれで、誰もが共有できる明確な「お作法」はないとは思います。
とはいえ、Twitterで文章の書き方に触れた際にちょっと反応があったこともありまして、私ごときがとは思いますが、何冊か本を書かせていただいた経験を踏まえて、まとめて書いておきましょう。
【構成について】
・全体の構成は、4つにわける。
起承転結にこだわるわけではないですが、4つのハコをイメージし、それぞれを埋めていくことを考えていくと、構成の不安が減ります。
2つ目のハコ、3つ目のハコがあふれがちなのですが、分量が増えたハコは2つに分ければよい。その場合でも、「この2つのハコは1セット」と意識しておくと全体が見通せて、構成の迷子にならないで済みます。
・執筆に手が付きにくいときは、第3章から書く。
「書きたい」動機が現れる箇所は、結論に向かう部分であるはずです。起承転結でいえば、「転」の部分。私自身、「とはいえ」「こうしてみると」という書き出しで第3章に書かれるべき内容から執筆を始めることがあります。
また、結論に向けた記述から帰納的に第1章と第2章を書くと、結果的に無駄な時間を割かなくて済みます。
映画「スターウォーズ」でも、映画第1作は「エピソード4」だったでしょ。「書きたい」ところから執筆を始めることは、モチベーションの維持にも繋がります。
・書き終わったら、書き出しを半分に削る。
書き出しの分量は、だいたい不要に長くなっています。
これは、執筆のエンジンがかかるまでに時間がかかることにもよるのでしょう。例えて言うと、慣れない方の文章には、美術館の訪問記録なのに電車に乗っているところから始まっているような記述が少なくありません。
また、読み返してみると、書き出しにも記述がある結論めいた内容は、後段にもしっかり書いてあったりします。そのような場合は、書き出しにある記述の要不要を検討します。
・110パーセントの分量を書いて、90パーセントの分量に減らし、100パーセントの分量に「のばす」(例示の分量は、厳密なものではありません)。
「詰め込み」や「書き急ぎ」の印象があると、読みにくさの原因になりかねません。
後述の「繰り返し書き」や、本論からそれた記述を削り(「もったいない」は禁句!)、文章の流れを調整し、言葉の不足を補います。
【文章の書き方について】
・接続詞は、できるだけ使わない。
「だから」「したがって」などの接続詞は、文章の勢いをそぐ場合があります。逆に言えば、接続詞を省いても読む苦労を感じさせない文章を目指しましょう。
接続詞を制限することにより、文脈が反転する場合の「だが」などが効果的に機能します。
・同じことを何度も繰り返して書いていないか確認する。
執筆者が重要だと思っていることは、無意識に何度も記述していることがあります。段落を変えて違う言い回しで繰り返していることも少なくありません。
パラグラフごとに「何が書かれているか」を意識しながら執筆すると、不要な繰り返しが防げます。
また、文章の書き出しと第3章のまとめぐらいで、同じフレーズを書きがちで危ない。
【執筆の姿勢について】
・「もったいない」と思わない。
余計な枝葉は、執筆分量の支障になるだけでなく、一貫した論調の構成にも悪い影響を与えることが少なくありません。
「書かないこと」は、「書くこと」と同様に重要です。
調べたことは全部書きたいというお気持ちもあるかもしれませんが、「もったいない」は禁句です。
・執筆の立ち位置は、「私」ではなく「あなた」
これは読む立場での私の感想なのですが、「俺が俺が」で書かれた文章では、「そりゃ、あなたでしたらね」と思われておしまいです。
特定の読者(想像であってもよい)を想定すると、内容の方向性が固まるとともに、迂闊な「わたし語り」になりません。
・読んだ人間が不快になる文章を書かない。
読む人間の「共感」がないと、文意が伝わりません。
【執筆の環境などについて】
・執筆の負担にならない環境を用意する。
過去の著作ではポメラを活用しました。開いた途端に執筆の体制が整うので、電車に乗っている間でも重宝しました。
・執筆のための場所を用意する。
行き詰ったときは、喫茶店が重宝します。コメダ珈琲なら、長居がそれほど負担になりません。
以前にお付き合いのあったブロガーさんは、帰宅途中の喫茶店が更新のための場所だとおっしゃっていました。
このほかにも執筆者なりの心がけや環境整備があることと思います。
ささやかな記述ですが、皆さまのご参考になれば幸いです。