自治体法務の備忘録

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風俗営業と行政法

風俗営業取締り (講談社選書メチエ (238))

風俗営業取締り (講談社選書メチエ (238))

 bottomさんがご紹介されていた(http://bottom.at.webry.info/200512/article_15.html)本書を読みました。業者と警察の追いかけっこの記載だけではなく、立法の変遷や、人間関係の営業化に伴う今後の風俗営業の行方などにも論が割かれ、誠に面白い。
 警察権の無い基礎自治体においてはあまり関係がないか、というと以下のような書籍もあります。
ハイブリッド行政法

ハイブリッド行政法

 本書の特徴は、行政法令の解釈論から処分手続、救済手段まで、制度や各法令について、各章において解説の上で「事例の検討」として「さて、風俗営業適正化法においては、」と具体的な事例が挙げられるところにあります。
 興味深いのは、風俗営業を事例に取りながらも、風俗営業規制の為の法運営について論じられたものではなく、行政法の具体的な適用を例示していこうという試みにあるところです。インターネット等に言及した「サイバー・スペース・ローと規制」と題された章に至っては、他の行政法の参考書では見られない試みでしょうね。
私「各章の初めには、大学生のマコト君とマリちゃんの会話に先生が口を挟むという形で、章の課題の内容が紹介されるのですが、マコト君は風俗営業でアルバイトをしているという設定なんですよ。」
職場の方「無茶な話だな。マリちゃんもフーゾクで働いているの?」
私「…違います。公務員を目指すマジメな女性です。」