自治体法務の備忘録

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[法令]「法学セミナー」13年1月

 すっかりご案内が遅れてしまいましたが、吉田利宏氏(元衆議院法制局参事)と交互に連載させていただいている「法学セミナー」誌の最新号が刊行されています。

法学セミナー 2013年 01月号 [雑誌]

法学セミナー 2013年 01月号 [雑誌]

 2年間にわたる連載、今回でいよいよ最終回です。
 私からのご案内に先立って、半鐘さんが内容について触れてくださいました。ありがとうございます。
【re:国の法制・自治体の法制】http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-673.html
 今回は「国の法制・自治体の法制」と題しまして、それぞれの法制のあり方についてご指摘をされています。
 吉田さんのご指摘されるところの「自治体の法制の方が国の法制よりも『難しい』」って、ちょっと意外でしょ?前述の半鐘さんは、以下のように記述されています。

国法の難しさは、堅牢性=深さの難しさであり、ここは、自治体法はかないません。
対して、自治体法の難しさは、茫漠性=広さの難しさ、といえるでしょう。
自治体関係者が「法律の方が難しい」と言うのは、前者の意味においてそのとおりですし、
条例づくりにかかわる者が途方に暮れるのは、後者の所以です。

 実務に触れられた方は頷かれるのではないでしょうか。
 吉田さんは連載の終わりで、連載第1回で私が書きました「炭鉱のカナリア」の比喩を取り上げてくださいました。カナリアは炭鉱でガス探知のために使われるそうで、連載の開始にあたり、私は以下のように書かせていただきました。

「法」運用の実践と葛藤の中、その問題点と可能性を明らかにするという点で、自治体法務の役割の一つは、この「炭坑のカナリア」と言って良いかもしれません。しかしながら、またそれは、現場の第一線としての誇りに満ちた呼称でもあります。

 全国のカナリアへのエールで、本連載が締めくくられたことを心からうれしく思います。
 さあ、皆さん、引き続き張り切って参りましょうか。