自治体法務の備忘録

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地方分権推進計画

 地方分権推進計画が閣議決定されました。
 別紙として記載された個別法における施策の方針について、コピーの上、担当課に配布しました。
 具体的な内容は法の改正案の提示を待つことになりますが、少なくともその動向は現課で把握しておく必要があります。事務の実施に当たっては自治体で意見公募が必要な例もあるしね。
 さて、そうは言いながらもこのたびの内容を見てみて、

実は、あまり大した内容ではないのかも、と、最近思う。
http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20091215/p1

というtihoujitiさんの所感に賛同せざるを得ない感はあります。それでも保育所基準のように、官庁による壮絶な抵抗はあったようですが。
 会員のお手元には既に届かれていると思いますが、編集部会としてお手伝いさせていただいている自治体学会のニュースレター最新号の巻末に、部会員メモとして以下のように記述しました。

 地方分権が論点のひとつとなった総選挙を経て、政権交代がなされた。しかしながら、個別の施策の推進に当たっては、過渡的な混乱が見られるところである。もとより国民の選択の結果に基づく新政権の分権推進には期待するところだが、「中央集権」型の地方分権に満足せず、地方側から「奪い取っていく」姿勢を忘れてはいけないと、分権一括法施行10年を目前に控え、改めて思うところである。

 「義務付け・枠付け」の見直しは「上級官庁(とあえて言ってしまいますが)」による関与に関する棚卸しの契機として意味はあったと思います。今後の立法方針にも影響を与えるでしょう。しかし、何よりそれを監視し、意味あるものとして実行していくのは自治体の役割です。
 また、産業界は、基本的には中央省庁による一律的な規制を望み、分権型の個別規制を望まないといいます。個別の対処は手間(とそれに伴うコスト)がかかる上、陳情先も多くなるとあってはね。分権型の産業育成も、これからの自治体の役割の一つでしょう。
 課題は多くありますが、一つの自治体で担い得るか、共同して対処するかの判断は個別にあるにしても、ますます、自治体の「仕事」がおもしろくなる過程であるかと思います。