自治体法務の備忘録

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今の私たちの限界と可能性

 パブリックコメントについてid:joho_triangleさんがご掲載の記事から

すなわち、そうした「法令の趣旨及び目的」や「処分において(客観的に)考慮されるべき利益の内容及び性質」を、立法機関が法令制定する時点から可能な限り客観的にも明らかにして、行政庁にそれらを遵守した法令執行を求めることがヨリ重視されるのではないかというコト。
http://d.hatena.ne.jp/joho_triangle/20051203/p2

 上記の行き着く先が、官庁の「有権解釈」にとらわれない、透明な法運営として期待されるところであります。そしてそれは、ひいては自治体の「法解釈権」の拡大にも大きな影響があるわけで。

まあ、所詮有権?解釈ですから無視して良いのですが、それを無視できない人々の魂の叫びo┤*´Д`*├o アァー
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20051116#p4」へいただいたbottomさんのコメントから

 自治体法務を実践する私たちの「限界」と「可能性」については、「自治体法務研究No.3」に掲載の記事に、嘆息とともにうなずかされてしまいました。

自治事務は原則として条例や上乗せや横出しが可能だという原則適法説(阿部泰隆)、あるいは法令の規定を標準として解釈して、それとは異なる規定を定めることが可能とする標準規定説(北村喜宣)がある。地方分権を推進するためには、これらの説に沿うことも必要だろう。しかし、これらの魅力的な説は現実の裁判等では困難を伴う。従来の法先占理論を批判し、現実の運動や理論化の中で展開されてきた実質的判断説に基づき条例制定の可能性を探ることが現実的であろう。
77ページ「政策における条例の位置と可能性」江藤俊昭(山梨学院教授)

 しかし、これは敗北宣言ではなく、私たちがおかれている状況の説明にしかすぎず、その状況も上記のように変化しつつあります。その性格が「動機」であり「実践」である「政策法務」では、「成果」においてではなく「過程」における試行錯誤こそが意味あるものです。がんばっていきましょう(誰に言うでもなく)