自治体法務の備忘録

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標準会議規則と「その他」「その他の」

 ちょっと前の話題になりますが、

【市区議も出産欠席OK 町村議は検討 規則に明記へ】
 全国市議会議長会(会長・佐藤祐文横浜市議会議長)は、全国の七百九十市東京二十三区の議会が議会規則を策定する際に参考にする「標準市議会会議規則」を近く改正し、女性議員が出産を理由に欠席できるよう規定を明記することを決めた。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015052602000242.html

 記事の内容には異論ありませんが、引用されている全国都道府県議会議長会の標準会議規則に「?」

 全国都道府県議会議長会の標準会議規則も〇二年に改められ、現在は「公務、疾病、出産その他の事故」と欠席理由として出産を明記している。

 全国都道府県議会議長会のサイトに掲載されている同会議規則には、以下のようにあります。

(欠席の届出)
第二条 議員は、公務、疾病、出産その他の事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。
http://www.gichokai.gr.jp/kaigi_kisoku/kaigikisoku.pdf

 以前にwashitaさんが違和感を表明されていたように(http://d.hatena.ne.jp/washita/20150526/p3)、この書き方だと、「出産」が事故の例示のように読めてしまうのでないかと。

自治体の法規担当になったら読む本

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「その他」の前に置かれた語句は、その後に置かれた語句と並列の関係にあります(「証書類その他政令で定める書類」など。「証書類」は政令で定める必要がない)。これに対し、「その他の」は、その前に置かれた語句が、その後に置かれた語句の例示となります(「心身の故障その他の事由」など。「心身の故障」が「事由」の例示になっている)。
(138ページ)

 ただ、このたび改正された標準市議会会議規則は、条文構成が異なり、その点に頭を悩ませる必要はなさそうです。

(欠席の届出)
第2条 議員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。
2 議員は、出産のため出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ議長に欠席届を提出することができる。
(欠席の届出)
第91条 委員は、事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに委員長に届け出なければならない。
2 委員は、出産のため出席できないときは、日数を定めて、あらかじめ委員長に欠席届を提出することができる。
http://www.si-gichokai.jp/official/blog/global/docs/taishyohyou.pdf