自治体法務の備忘録

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俺の指摘がオールジャパン

 branchさんが基礎自治体へのご自身の出向経験について掲載されたの記事が好評のご様子。

 上記に関連して、というわけではありませんが、 番外編「出向記 〜霞が関から地方自治体へ〜」をお読みいただいた方からはてなポイントをいただきました。ありがとうございます。アンテナ代に充てさせていただきます。ヽ(´ー`)ノ
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0801.shtml#0108

 笹山登生先生に、 番外編「出向記 〜霞が関から地方自治体へ〜」 を「一読をおすすめします」と紹介していただきました(笹山登生の掲 示 板 (記事番号[6890]))。

文中「ハ*ハ*」なんて表現も混じっていますので、教育の現場で二次使用する場合は、ここの部分、ご修正願った方がいいのかな?

http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0801.shtml#0112

 以下は、自治体から霞ヶ関への照会に関して同記事に掲載された内容です。

【出向記 〜霞が関から地方自治体へ〜】
 法令なり通知なりの解釈や運用について疑義が生じた場合の照会にも、市町村から霞が関に直接照会することはほとんどなくて、県を通じてやるのが不文律になっています。まぁ、これは別に恐れ多い控えおろうとかいった変な権威主義というわけでは必ずしもなくて、ある程度県で交通整理してもらわないと本省の担当者が大変すぎるという事情もあるんですけどね。自分の過去の経験としても、法改正直後や施行直前は県からの問い合わせだけでも息をつく暇もないほどで、さらに各市町村からも直接問い合わせがきていたら死んでいた…というか、物理的に対応しきれなかっただろうなぁ、と思います。
 でも、込み入った事例なんかは特にそうなんだけれども、国の有権解釈を早急に確認したい場合には県を通していたらかったるくて仕方がないので、部下には「何か言われたら対応するから」と言って直接国に紹介するよう指示しています。今のところ、特にクレームをつけられたりしたことはありません。そこはまあ、大人の対応ということでしょうか(むしろ、個人的な印象としては、各省庁の出先機関や県のほうが横柄な態度で接してくることが多いような気が…。)。
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/guruguru18.shtml

 以前に庁内の親しい先輩とした立ち話を思い出しました。その先輩、その大柄な体格と声の大きさから、私は密かに内心で「番長」と呼んでいます。
番長「指針っていうか、取扱基準っていうか、そこの記載されている内容がおよそ今じゃ取り扱わない内容が列記してあんのよ。『なんだよ、これ?』って課内で聞いたら『国からの通知です』っていう」
私「ほうほう」
番長「国からの通知っていっても、随分と前に出ただろうによと、原状にあわせた取扱いをしたいと思って、県もからむ内容だから、県の担当者に電話したら」
私「したら?」
番長「『国の通知ですから一言一句違う取扱いは許されない』って言うのよ」
私(苦笑)
番長「頭来ちゃってさ、じゃあ、お前はこの取扱いが現在できるのか、って聞いても答えられないんだ」
私「ありそうな話しですね」
番長「『お前も疑問に思うんなら国に聞いてみろ』と言っても『それはできない』って言う。らちがあかないから『じゃあ、俺が電話して聞くよ』って言っても『それはやめてくれ』って言うんだ」
 県の担当者のかたくなさは理解できないところですが、番長の押しの強さを知る身としては、その困惑を想像し、想像されるやり取りから、申し訳ないですが笑いがこみ上げてしまいます。
番長「『お前が答えられないから俺が聞くんじゃないか』って怒鳴ったら『じゃあ、せめて、県への照会の上だと付け加えてくれ』と」
私(笑いが堪えられない)
番長「で、『わかったよ、県の○○課の誰某に聞いてもらちがあかないから電話した、ってお前の名前をはっきり伝えてやるよ』って言った」
私(爆笑)
番長「国に電話したら『ありがとうございます、私達、現場のことはあまりわからないんで』と、丁寧な対応なのよ」
 いやあ、国の人も番長の物言いには驚いたんじゃないかな。
番長「そしたら、今年になって国から届いた通知、俺が指摘したとおりに直っているのよ。俺の指摘がオールジャパンよ」
 よい子は真似してはいけません。
 冗談はさておき、基礎自治体広域自治体や国への無思慮な依存は論外としても、上記のbranchさんがご指摘のように、すべての基礎自治体から省庁へ照会があっては、これをさばくことは物理的に不可能で有りましょうし、それこそ「広域的」な調整や情報の収集・提供は広域自治体に期待させていただきたいところです。
 とはいえ、逆に言えば、その「2重構造」が支障になるのであれば、そもそも広域自治体の存在自体が否定されかねません。
 確かに、私自身も担当課からの照会に当たっては、基礎的な事実の確認の不足から困惑させられることもあり、相談が寄せられる立場の困惑も想像できるところです。
 しかしながら、これもbranchさんもご指摘のとおり、横柄と取られるような姿勢はもちろん論外ですし、むしろ、実務担当者とのやり取りを有意義な情報収集に繋げる努力があってしかるべきでしょう。
 なによりも相談を受けることの多い立場としての自戒を込めて(^^;