自治体法務の備忘録

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自治体の議会事務職員になったら読む本

自治体の議会事務局職員になったら読む本

自治体の議会事務局職員になったら読む本

 学陽書房からの新刊です。拙著「自治体の法規担当になったら読む本」に続くシリーズ第2弾。
 本書も現役の自治体職員が自身の経験を踏まえて、必要な知識をわかりやすく解説しています。出版社のサイトで確認できる目次(http://www.gakuyo.co.jp/book/b196113.html)をみても、かゆいところに手が届くような構成になっていることがお分かりいただけるでしょう。
 議会事務は自治体ごとのローカルルールが多く、また、政治的にイレギュラーな動向に左右される局面も少なくないので、執筆にご苦労はあったと思いますが、多くの事例を拾いながらわかりやすく解説されています。何よりその内容からは議員を支える議会事務局職員の矜持が伺えます。

 議員は住民から直接公選されている存在で、政治的正当性があります。つまり、民意をもってその地位にあるのです。
(略)
 議会事務局は、その議会、議員の補佐役ですから、議員の求めに応じて、さまざまな手伝いをするにすぎません。これが、政と官の役割分担です。
(224ページ)

 執筆者のうち香川純一さんは「はじめに」で、議会事務局への赴任時の戸惑いについて「『使う筋肉が違う競技』だった」と振り返ります。

 本書では、「私が1年目に知っておきたかったこと」を書きました。
 私がここで書かれていることを1年目でしっかりと身につけ、また認識していたならば、当時の苦労はなかったと思います。
(3ページ)

 統一地方選の後、顔ぶれが変わった議会への対応のご準備もあろうかと思います。新規赴任者だけでなく、ベテランや執行部の職員の方々にも本書は役に立つものでしょう。