ある再開発
クリスチャンであった祖母に縁があった教会が、市街地再開発の対象区域に含まれることになったようです。これも時代の流れでしょうか。
大正から昭和にかけて祖母が通った街の様子も随分と変わり、今ではすっかりオフィスビルが教会を囲んでいます。その市街地ももはや成熟化し、より合理的な地域の利用が模索されている由。
「再開発」とは、都市再開発法に基づく「市街地再開発事業」のことを言います。国土交通省のサイトでは、完成後の高層ビルがそびえ立つ事例の写真に併せて、以下のように説明されています。
市街地内の、土地利用の細分化や老朽化した木造建築物の密集、十分な公共施設がないなどの都市機能の低下がみられる地域において、土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることを目的としています。建築物及び建築敷地の整備並びに公共施設の整備に関する事業です。
http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/06sigaichisai.html
上記のサイトの写真には複数の高層ビル(の模型)が写っていますが、この度の再開発でも高層の商業用ビルと居住用ビルが建築されるとのこと。
従前の土地の権利者は、その資産の評価に応じて、再開発後の権利を譲り受けるわけですが、教会にはテナントとして店舗に賃貸ししていた部分と牧師の居住部分がありますので、それぞれが商業用ビルと居住用ビルに割り振られるようです。
ところが、肝心の教会部分は割り振りようが無く、これらのビルに隣接して、独立する建物が建築されるそうで。
これが寺社であったらば、といささか奇妙な気もしますが、信徒の集まりこそを「教会」とするプロテスタントの発想なのでしょうか。
とはいえ、高層ビルにの足下、広く整備された敷地に小さくうずくまるような教会の姿は、計画図の中で異彩を放っています。日本では決してポピュラーとは言えないキリスト教の教会が、地域にどのような関わり得るのか、この困難な時代にいささか興味が持たれるところです。