自治体法務の備忘録

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現金主義と発生主義

 財務に触れてみておもしろいのは、知識だけで知っていた内容について具体的な理解ができることです。そこから見えてくるものも少なくありません。
 継続費と債務負担行為の取り扱いについては違いが見えにくかったのですけれど、
・継続費は、予算単年度主義の例外
であるのに対して、
・債務負担行為は、そもそも現金主義である自治体会計自体の例外
であることがわかると視界が広がります。
 自治体会計が現金主義であることを念頭に置くと、改正前自治法で「金庫番」としての出納長・収入役が特別職として重用された理由も見えてきます。
 また、最近でこそ債権管理は自治体の大きなテーマになっていますが、企業会計のような「発生主義」でないことが、対処の遅れにもつながっていたのではないかと想像することができます。
 もちろん、現金主義による合理性はなお存在するわけで、議論と試行錯誤が行われているのは皆さまご存知のとおりでしょう。
 個人的には、各種参考書を眺めて前職の金融マンであった頃を思い出したりもしております。勉強の種は尽きませんな。