自治体法務の備忘録

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証書借入と証券発行

 「地方債はどこで買えますか」と聞かれたことがありますが、県や政令市ではない一般市や町村は、「証書借入」によって借入を行う事例が多いので、一般の方が手に入れられる機会は限られています。証書借入とは、「いくら貸してね」という文書を先方に差し入れることにより借入を行う方法です。
 購入の対象となる地方債は「証券発行」によるもので、市場公募債や銀行等引受債などがあります。
 証書借入の場合は個人のローンと同じ分割払いですが、証券発行による起債は満期時の一括償還です。であるから、償還財源として積み立てている「減債基金」の適正な管理運用がより要請されるわけです。
 ちょっと脱線すると、地方自治法には「地方債を起こすことができる」と記述があります(230条)。地方債は「起こす」ものなんですね(だから「起債」という)。
 起債の説明をする原稿を書く際に、わかりやすくするつもりで「地方債を発行する」としたことがありますが、証書借入までを念頭に置くと正しい記述ではなかったりします。