自治体法務の備忘録

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特攻服集団の迷惑行為禁止 姫路市が条例改正へ

 毎年六月の「姫路ゆかたまつり」で徒歩暴走族や期待族の騒動を根絶しようと、姫路市は六日、期待族を規制する市条例を改正し、特攻服姿などによる集団での迷惑行為を禁止する項目を追加する方針を明らかにした。
 同市は二〇〇一年、単車などの暴走行為をあおる期待族の規制条例を施行。しかし、近年は電車で集まる徒歩暴走族が増え、条例による規制が騒動の実態に追いついておらず、県警も条例の改正を要請していた。
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000762934.shtml

 まず思い起こされるのが、先般、3対2でかろうじて最高裁の合憲判決を得た、広島市暴走族追放条例です。
広島市暴走族追放条例の考察(その1)<最高裁判決の少数意見から>】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070925/p1
広島市暴走族追放条例の考察(その2)<類似条例のと比較>】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070925/p1
 上記の「(その2)」における掲載内容では、いわゆる「暴走族追放条例」に刑罰を導入する嚆矢となった例として姫路市条例を挙げさせていただいていますが、その内容の改正が検討されているわけですね。
 このたびの姫路市条例で規定される具体的な内容については不明ですが、服装に係る取締りに関する見解については、上記の広島市条例の最高裁判決においては「(その1)」に引用した田原睦夫裁判官の少数意見がありました。

 人が,道路や公園等開かれた公共の場所において,如何なる服装をするかは,憲法11条,13条の規定をまつまでもなく本来自由であり,それが公衆に不快感や不安感,恐怖感を与えるものであっても,それが,刑法や軽犯罪法等に該当しない限り,何ら規制されるべきものではない。
 殊に,服装が思想の一表現形態としてなされる場合には,憲法21条との関係上,その表現行為は,尊重されなければならない。そして,その表現行為の中には,髪形や身体へのペインティング等をも含め,今日の社会常識からすれば,奇異なものも含まれ得るのであり,また例えば平和を訴える手段として骸骨や髑髏をプリントしたシャツを着用する等,一見それを見る者に不安感や恐怖感をもたらすものも存し得るが,それらの表現行為が軽々に規制されるべきでないことは言うまでもない。ところが本条例では,上記のような服装も中止命令等の対象となり得るのである。

 前述の記事でも書きましたが、「姫路市民等の安全と安心を推進する条例」の起草に当たっては、規制の対象の規定ぶりについてデリケートに検討された旨をご担当者から自治大学校のご講義において伺った覚えがあり、その改正の方向に興味が引かれるところです。
 それにしても、「徒歩暴走族」とは、字面だけみると訳がわかりませんな。