自治体法務の備忘録

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咲く花に

 我が家の狭い庭で薔薇が咲きました。

野の百合は如何にして育つかを思へ、
労せず紡(つむ)がざるなり。
されど我なんぢらに告ぐ、
栄華を極めたソロモンだに、その服装(よそほひ)この花の一つにも及(し)かざりき。

 私の祖母がクリスチャンだったことは以前にも記載しましたが、上記は新約聖書でイエスの言とされる語句からの引用です。
 ここで名前が出た「ソロモン」とは、先のニコラス・ケイジ主演「ナショナル・トレジャー」などの映画でも「ソロモンの秘宝」が題材とされたように、ユダヤ民族最盛期の王として有名な人物です。
 聖書を単に信仰の対象としてではなく、当時の歴史的な背景や文献上の書誌的な視点から研究を進める「聖書学」という学問が有るそうですが、その著名な学者によると、ここで「栄華を極めし」と言及されるのは、単に言葉どおりのユダヤの王ではなく、当時、圧政を敷き、豪奢な文化を誇っていたローマ帝国への当てこすりがあるそうです。
 なお、聖書では、上記に続けて以下の記載があります。

今日ありて明日炉に投げ入れらるる野の草をも、神はかく装ひ給へば、まして汝らをや

 日々慌ただしさで疲れたときは、凛と咲く花に我が身を重ねてみても良いのではないでしょうか。*1

*1:「百合」は、ギリシャ語原文では、単に「花」の意であるそうです。