自治体法務の備忘録

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署名と公告式3〜署名によらない公布

 さて、上記のように、条例や規則の公布に当たっての要件をされている首長の署名ですが、下級審ではあるものの、以下の興味深い事例があります。

熊本地裁 昭和43年9月3日判決 昭和42(わ)72】
 地方自治法第一六条第四項が条例の公布に当たって当該地方公共団体の長の署名を要求しているのは、長が条例を署名することによって公布すべき条例を確定し、かつ公布をなす主体を表示することによって権限を有する行政庁の行為であること及びその執行の責任の所在を明確ならしめるにあると解される。そうだとすれば、村長の記名押印にも署名同様の効果を認めてよいものと解すべきである。
地方自治関係実例判例集」210頁(ぎょうせい)※強調はkei-zuによる。

 公布されるべき対象の確定という、署名の目的を解した判断であるわけですね。
 まあ、試みてみるだけの勇気は、私にはありませんが。