自治体法務の備忘録

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re:リーガル・リサーチについて思うこと

 書籍プロデューサー高瀬文人氏がご掲載の記事から

私はリーガル・リサーチに取り組んでいる人たちの世界からは外れて久しいのだが、しかし、このままでいいのかという思いは強い。
一言でいえば、こういうことだ。「日本のリーガル・リサーチはいつになったら大人になるのか?」という「焦り」だ。
(略)
教育においては、結局、データベースを用いた「Wordの使い方」のようになっている学校が多いようだ。また、法学研究者や実務家以外が授業を担当している場合があるが、やはり法の構造や体系が頭に入っている人、つまり法学教育を受けてその素養がないと、教えるのは無理だと思う。
研究においては、結局のところデータベース企業・IT企業の「ひも付き」となり、それ自体で法学教育に主張できるものがほとんど生まれていないという底の浅さが否めない。
リーガル・リサーチというものは、日本法の体系、判例や裁判例を知ることであり、そのことによって日本法そのものを照らし出す営みだと私は考えている。
http://bunjin.cocolog-nifty.com/bunjinlog/2010/06/post-7714.html

 ご指摘のとおり、その取り組みはまだ端緒に付いたばかりですが、「リーガルリサーチ」についての充実は、実務者にとってめざましい点はあります。先日の記事では、電子図書についていささかシニカルな物言いになってしまいましたが(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100624/p2)、私が法制の担当を始めた10年前に比して、情報化による法環境の整備は、自治体の法運営の現場をも変えてきているかと思います。
 私自身も現状に満足するわけではありませんが、逆に言えば、それはその先の可能性に期待するからに他なりません。
 以下の記事は、折blogで4年前、北海道町村会法務支援室のサイトのトップ文章を紹介させていただいた上で記述した内容です。

法制執務としてツールを使いこなすこと】
 以前、件の指定管理者担当の美女に「法制執務研修においては、法体系や『及び』『又は』の語句の説明以上に、電子版の法令集例規集やツールとしてのパソコンの使用方法を講義するべきでは」と指摘されたことを思い出しました。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060224/p2

 「法制執務研修」が旧来のものに止まっているかも含め、法を「ツール」として「使いこなす」ための模索と検討は、私たちにも要請されていると考えます。