「地教行法」当事者の証言
昨日、警官隊導入の混乱の中で「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」が参議院可決した旨を記述しましたが(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20100812/p1)、
- 作者: 木田宏
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(前略)占領の初期である昭和23年に教育委員会法ができた。各都道府県にも、市町村にも、都道府県会議員や、市町村会議員とは別に、教育委員会委員なるものが選挙せられ、この委員会が一般自治体たる知事、市町村長とは独立して別に都道府県、市町村の教育行政実施の任にあたることとなった(後略)。その選挙のたび毎に、教職員出身者が相当数を占めだした。そこで、府県会、市町村会との摩擦が目立つようになって来た。地方議員なり、父兄なりよりして、この弊害を指摘する声が聞こえだした。昭和27年4月、我国が独立を回復して、占領時代の行き過ぎを是正すべき時代に入ってからは、これが一方の与論のようにもなった。(後略)
そして、昭和31年の参議院審議における警官隊の導入を「不幸な事態」と振り返りつつ、「こんなわけであるから、この法律については私も大いに責任を感じておる」と述べられています。
清瀬氏が「袋だたきに逢った」と比喩する当時の世間の反発は、戦後憲法の民主主義に反するとした考えによるものでしょうが、2000年の分権改革後において、国の「機関」ではなくなった首長のもと、教育行政のあり方自体が論じられているのは皆さまご存じのとおりでしょう。「スポーツに関すること」と「文化に関すること」のそれぞれ一部が、条例の定めるところにより首長の事務として移管が可能になったのも記憶に新しいところです(平成19年法律第97号)。
教育行政の充実は引き続き模索されるべきでありますが、一方で、それを地域においていかに民主的に運営していくかは引き続き議論があるところかと思います。