新法令用語の基礎知識
- 作者: 吉田利宏
- 出版社/メーカー: 日本評論社
- 発売日: 2014/10/20
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本書の原型である「法令用語の常識」林修三(日本評論社)は、私が「自治体の法規担当者になったら読む本」を執筆する際に参考にさせていただきました。ただ、名著であっても時間の経過は致し方なく、参考に際しては、その後の法制執務の蓄積について確認が必要でした。
本書は「法学セミナー」誌の連載をまとめたもので、連載は毎号拝見していましたが、まとめて読むとあらためて勉強になります。引用される事例も豊富で、自治体の条例や法制度に関する説明もわかりやすく丁寧です。
法律での使用例は○○で、自治体の条例では△△と使用される向きもあります、なんて説明は、双方に精通した著者ならではでしょう。一方で、本書の元になった書籍へのリスペクトも忘れません。
林修三氏は「又は」、「及び」という接続詞をどう使い分けるかは「法制局参事官の卒業論文になるくらい中々難しい点を含んでいる」と述べています。なるほど経験を積めば積むほど、配慮すべき要素が見えてくるわけですから、迷いがでる用語であることは間違いありません。
(20ページ)
また、同じ条項で似た用語をあえて使い分けている事例もあげ、立案者の「こだわり」も開設します。ちょっと古いですが「いい仕事してますねぇ」の感嘆句を思いだします。
お値段も1200円(プラス消費税)ですし、広く自治体職員の方の手元に備えていただけたらと思います。