自治体法務の備忘録

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法実務からみた行政法 エッセイでたどる国と自治体の法務

 先般ご報告させてさせていただきましたとおり(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20140812/p1)、吉田利宏氏(元・衆院法制局参事)との共著が刊行されました。
 出版社のサイトには、目次が掲載されています。

第1章 実践する自治
 第1節 自治体条例の先進性〜住基法を変えた? 熊本市条例〜
 第2節 「ユニーク条例」の法的「適格性」〜「朝ごはん条例」って何だ〜
 第3節 ネーミングライツ自治体〜「名前、売ります」〜
 第4節 地方分権第2ステージ〜法令の「上書き権」〜
 第5節 自治体の「まちづくり権」〜日田市場外車券場訴訟〜
 対話で補足 国法と自治体法1〜条例の「?」・独自財源の確保
第2章 法律と条令の間に
 第1節 公告式条例と「公布」の性格〜その公布方法正しい?〜
 第2節 定額給付金と「自治体の事務」〜自治事務法定受託事務
 第3節 行服法の改正と裁定的関与〜分権おいてけぼりの改正議論〜
 第4節 情報公開法と情報公開条例〜法律・条例の陣地取りと領空侵犯〜
 第5節 行政手続法と行政手続条例〜法律の引き写しなんてするものか〜
 対話で補足 国法と自治体法2〜どうでもいいっていわせない! 公布方法や新旧対照表の形式〜
第3章 自治体に何ができるか
 第1節 執行機関としての教育委員会〜誰が集める? 学校給食費
 第2節 基本法自治基本条例〜法律(条例)になじまない法律(条例)〜
 第3節 行政上の義務の履行確保〜放置自転車対策の特効薬?〜
 第4節 「空き家管理条例」と行政代執行法2条の解釈〜したたかな自治体法務〜
 第5節 法律の「空白域」と自治体条例
 対話で補足 国法と自治体法3〜執行機関多元主義ヤマタノオロチ
第4章 議会改革と地方分権
 第1節 議会事務局の強化〜改革は竜馬にまかせない〜
 第2節 議会に附属機関は置けるのか?〜東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法の残したもの〜
 第3節 岐路の立つオンブズマン〜実績低下の背景にあるもの〜
 第4節 任期付職員(弁護士)と自治体〜蜜月はいつまで続くか〜
 第5節 住民投票考〜いっそ住民投票したら〜
 対話で補足 国法と自治体法4〜特定任期付職員をお呼びしました〜
第5章 国法と自治体法
 第1節 投票の方法〜自書式と記号式の間〜
 第2節 条例の地域的効果〜「非実在青少年」って何だ〜
 第3節 条例の守備範囲〜条例に「できること」と「できないこと」〜
 第4節 国の法制・自治体の法制〜炭鉱のカナリアはゆく〜
 対話で補足 国法と自治体法5〜東日本大震災復興に向けて〜
http://www.nippyo.co.jp/book/6602.html

 何せ吉田さんといえば、軽妙な語り口とわかりやすい例えで、手品のように法令を紐解く「名人」でいらっしゃいますから、執筆に際してはかなりのプレッシャーがありました。それでも、具体的な法実務に携わった経験を持つ2人が、互いの知識や経験から行政法の現状やあり方について意見を交換できたことは、とてもスリリングで楽しかったです。
 目次では執筆の分担について記載がありませんが、第1章すべて、第2章第2節・第4節、第3章第1節・第3節・第5節、第5章第2節・第3節が私の執筆部分。各章の終わりには、2人の対談形式(ゲストを交えた鼎談を含む)で内容の補足を行っています。
 ボクシングに例えますと、吉田さんの激しいパンチに防戦一方でありましたが、最終ラウンドまでダウンしなかったことは褒めてください(^^;