自治体法務の備忘録

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サンリオSF文庫総解説

サンリオSF文庫総解説

サンリオSF文庫総解説

 サンリオSF文庫とは、1978年から87年まで、キティちゃんでお馴染みなサンリオから刊行されました。冒頭のカラーページにびっしりと並ぶ各巻の表紙は、書店で心動かされた中高生の頃を思い出します。*1
 終刊後はその多くが他社から刊行されたとはいえ、一時は古書店で随分な値と付けたそうです。同文庫が果たした大きな功績の一つが日本へのP・K・ディック紹介でして、個人で紹介されているサイトで、表紙を含めその雰囲気を感じていただけたらと思います。

サンリオSF文庫の歴史は、日本でのフィリップ・K・ディック受容の歴史でもある。なぜなら、サンリオSF文庫は、ディックの『時は乱れて』の紹介に始まり、同じくディックの『アルベマス』の紹介を持って終刊したからである。
http://d.hatena.ne.jp/dzogchen/20050401

 とはいえ、同文庫の裏表紙に記載される内容紹介は、よく言えば「芸術的」で取り留めの無いものも少なくなく、また翻訳に難があると指摘されたものもあり、刊行当時、手が伸びにくかったのは事実です。
 本書は、終刊後30年近くを経ての文庫総解説。どこに需要があるのかとは思いますが、奥付をみると刊行後2週間で2刷です。売れているのだ。
 私としても表紙に興味を引かれた本をいまさら確認するようで、拾い読みが楽しくあります。

*1:サンリオSF文庫の表紙の魅力は、「神という機械への夢―サンリオSF文庫カバーアート集」という画集が82年に刊行されているくらいです。