自治体予算要求の実務
- 作者: 吉田博,小島卓弥
- 出版社/メーカー: 学陽書房
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
予算編成や予算査定に関しての参考書は過去にもありましたが、「予算要求」に関してなのが本書の特徴で、要求に当たって、事業担当課が念頭に置くべき予算の考え方や事業執行のあり方について説明があります。
そうそうそうなのよ、と頷いたのが「財政当局とのやり取り」として書かれた一節です。財政当局として、ヒアリングに説明いただきたいことが列記されています。
- 他の事業とどのように違うのか。類似事例と統廃合できないか。
- 事業規模が課題ではないのか。例)要求の半分で十分ではないか。
- そもそも必要性があるのか。行政がやるべき事業なのか。過剰サービスではないか。民間の仕事ではないか。
- 国(県)の仕事ではないのか。
- 将来、大きな財政負担になるのではないか。
- なぜ、○○だけを対象として実施しようとするのか。公平性が保てるのか。
- どこもやっていない(もう少し待った方がよいのではないか)。
- 優先順位を考えて持ってきてくれ。
- 総合計画に乗っていないので、計画化されてから要求するべきではないか。
- これまでの実績をみると、要求額が課題ではないか。
- モデル事業であるなら、その成果を生かす見通しはあるのか。
- 要求している調査費は必要なのか。
- 調査項目は調査の目的を達成するために必要十分な数となっているか。
- 新年度予算に計上しないで、補正予算で対応することでよいのではないか。
本書では、上記それぞれにその視点の理由と求めるべき回答の方針が解説されています。気になられた方はお手に取ってみてください。