スターウォーズに学ぶ原稿執筆
お声掛けいただき、雑誌などに原稿を書かせていただくことがあります。共著も含め、本も7冊書かせていただきました。
長くやっているとコツ、というか心掛けている点はありまして、映画「スター・ウォーズ」に例えて手の内をご案内しましょう。いくらかでも、ご参考になれば幸いです。
【その1】
一番おもしろいところから書く。
スター・ウォーズでは、ルークが出てくるエピソード4「新たな希望」(77年公開)ですね。
私が過去に書いた原稿でも、「とはいえ」「したがって」から書き出したことが少なくありません。本来、これらの接続詞は、執筆する内容が大きく転換する時点で使用されるべきものです。
ただし、自転車こぐのと一緒で、文章の書き出しにはエネルギーと勢いが必要です。上記の大きく展開がある箇所が「自分が今一番書きたいこと」であることは少なくありません。「書けるところ」から書いてしまいましょう。
執筆に勢いがつけば、そのまま結論まで書いても良し、前提の事実をさかのぼって書いても良し。
【その2】
書き出しは冗長にしない。
こちらは、プリクウェル(前日談)と呼ばれるエピソード1〜3「ファントム・メナス」(99年公開)、「クローンの攻撃」(02年公開)、「シスの復讐」(05年公開)を反面教師にしています。
執筆した内容を読み返して見ると、書き出し部分にざっくり削れるところがあるはず。
慣れない人の論文は、書き出しが冗長で結論部分が字数制限で慌てて畳まれているものが少なくありません。
上記のプリクウェル3部作でも、いや、げふんげふん。
【その3】
調べたことを全部書く必要はない。
「ジェダイの帰還」公開時(83年公開)、観客は思いました。「映画で描かれた以外にも、冒険はいっぱいありそうだ!」その期待が、新3部作にもつながっています。
執筆は、「お題」の範囲での結論が必要です。
私も貧乏性なので、勉強したことは詰め込みたいのですが、それがクオリティの向上につながらなければ意味がない。
投げっぱなしは論外ですが、散漫に広がりかねない記述にはブレーキをかけた方がが賢明です。
「書かないこと」は、「書くこと」と同様に大事なのです。
Re:CREATORS
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アニメはあまり見ないのですが、ツボにはまりました。広江礼威さんのオリジナル脚本(「Re:CREATORS NAKED 」)まで購入する始末。
お話は、アニメやラノベの登場人物がなぜか現世に現れて、というもの。企画の発端には、懐かしやアーノルド・シュワルツェネッガー主演の「ラスト・アクション・ヒーロー」(1993年)があったそうで。同作は大コケで有名ですが、私もこの映画、嫌いじゃないです。
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監督と俳優のコミュニケーション術 なぜあの俳優は言うことを聞いてくれないのか
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著者のジョン・バダムは、「ブルー・サンダー」「ウォー・ゲーム」など、私の世代には懐かしい映画を手掛けた監督です。「巨匠」というよりは、手堅い「職人」のイメージがあります。
本書は、バダム監督が現場で学び、また実践してきた経験から書かれたものです。
「絶対にキャストと喧嘩をしてはいけない。監督は勝てないからだ」(38ページ)
「『よかったよ』といえない場合も、必ず俳優へのフィードバックをしよう」(70ページ)
「どんな演技も動詞で言い表せる。行動(=アクション)を表す動詞を使え。(中略)俳優を演技に導くためには、必ず動詞を使って説明すること」(194〜195ページ)
なんとなく、日頃の仕事にも思い当たるところがありませんか?
「アクションやスタントを俳優にまかせない」(237ページ)と題して、30センチの台から飛び降りた俳優が捻挫をしたときのことが書かれています。
そう、たったの30センチだ。(中略)その日の撮影はすべて中止。悪いのは誰だ? 私だ。
(239ページ)
ああ、ぞっとする。
本書を読むと、スクリーンの中で魅力的に輝く俳優たちが、いかに不安と孤独に向き合いながら演技に踏み出しているかがわかります。また、そのきっかけを与える監督の役割の重要性とテクニックについても。
その内容は興味深くあり、他人への振る舞いだけでなく、自分の行動の動機づけに参考となります。
少なくとも、映画を観る際に、その撮影現場を想像する楽しみを与えてくれるのが、映画ファンとしてはうれしいところ(ラブシーンのカット割りの合間には、どんなやり取りがあったんだろう!)。
内閣腐
引き続き「シン・ゴジラ」ネタです(すみませんねえ
今回の映画では、緊急事態のポリティカル・フィクションとしての側面が強いのですけれど、信頼関係に基づく、男性同士の熱い信頼関係に注目される女性の方は少なくないようで。
付いたハッシュタグが「内閣腐」(誰がうまいこと言えと
こちらは、巨対災の日常→http://togetter.com/li/1011932
ああ、なんで僕は、ここの隅っこにでもいないんだろう(「内閣腐」ではなくw
木根さんの1人でキネマ
私「え、「バック・トゥ・ザ・フューチャー」見たことないの?」
後輩の頷きに愕然。「TVの洋画劇場で、見たことがあります」と、別の後輩。世代の違いを感じます。
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あ…あんた 「バック・トゥ・ザ・フューチャー」見たことないの?
(略)
例えば「ターミネーター」や「スター・ウォーズ」 どっちも最高だけど苦手な人がいるのは分かるわ
でも「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は 青春 ロマンス アクション 友情
老若男女 全ての人の冒険心をくすぐるオールラウンダー
そう 食べ物で言ったらカレー! 食べたことない奴も嫌いな奴もいないでしょ?
(124〜125頁)
主人公である木根さんは、30代半ばの独り暮らし。仕事をバリバリこなし部下からも慕われる課長さんですが、密かに、SFやホラー、アクション映画を愛する映画ファンです。
人に言い難い趣味を持つ彼女の家に、職場の同僚(女性)が転がり込んで来たことから、彼女の生活に大きな変化が訪れます。
既刊は2冊ですが、取り上げられる映画も「インディ・ジョーンズ」「スター・ウォーズ」など懐かしいタイトルが並びます。最近公開された「マッドマックス 怒りのデスロード」への木根さんの崇拝ぶりも、同作に肩入れする私には嬉しいところ。木根さん、今度一緒に映画見に行きましょう。
冒頭の会話に戻ります。見たことないと言った後輩に聞きました。
「『ジュラシック・パーク』は?」「それは見たことあります」ここら辺が限界か。
「『E.T.』って知ってる?」「題名なら…」
木根さーーん。
議論の平行線と「核の冬が来る!」
むかしむかし、ロボットアニメ映画がありましてね。
宇宙時代を迎えながら、政治構造を含めなお旧来の思考・行動から脱し得ない地球の人々に対し、主人公のライバルたる宇宙移民の指導者は、地球に巨大な隕石を落下させ生態系を破壊することによって「粛清」を行おうとします。
これに阻むべく、衛星軌道上に立ち塞がる主人公。「なんでこんなものを地球に落とす!? これでは、地球が寒くなって人が住めなくなる! 核の冬が来るぞ!」
ところが、相手はその「核の冬」を起こそうとしているわけですから、合理的な説得になりません。まあ、そんなツッコミはクライマックスの見せ場に飲み込まれてしまうのですが。
半鐘さんがご掲載の記事から
地方消滅に関しては、反対側の本も読んでおく必要があろうと思い、買ってみました。
(略)
著者本人の中には、いいものがありそうな気もしなくもないのだが、いかんせん、よく伝わってこない。
http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-912.html
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地方消滅の罠: 「増田レポート」と人口減少社会の正体 (ちくま新書)
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「〜罠」は、地域「復興」に関する個別の事例を挙げますが、それは課題解決のグランドビジョンに結びつかない。もっともそれを言えば、「地方消滅」自体も、明確な解決手段を提示していません。逆に言えば、それが事態をセンセーショナルに煽るとの批判がされる原因でもありましょう。
確かに「無くなるのは行政であって地域ではない」かもしれませんが、国民主権のわが国にあって、国の制度は国民の生活の維持向上を担保すべきものでありますし、必要なインフラの整備を含め、地域に真摯に向かい合うのが地方行政であるはずです。
噛み合わない議論を見るたび「核の冬が来るぞ!」と耳元に主人公の声が聞こえる思いがあります。そうそう映画のラストは、落下する隕石を軌道上に押し止めようといつしか敵味方が一体となる中で、対立点をあいまいにしました。
眼前の課題を解決すべき手法を多様な立場で支えられたら良いのですが。
タブレット名画劇場
ともかく朝から晩まで仕事で休日出勤も少なくありませんから(総選挙もありましたしね)、ストレス発散もままなりません。
スキマ時間での気晴らしが、タブレットでの映画鑑賞。15,000円で購入した型落ちのネクサス7(2012)が重宝しています。
通勤時間やお昼休み、寝る前のわずかな時間で11月から12月にかけて見た映画は、こんな具合。
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ジェイソン・ステイサムが奥さんと昔の恋人との間で揺れ動く男心を演じます。
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「デススターの破壊、エピソード4は良いよ。だけど、エピソード6は駄目。建設中だったろ? 軍人じゃない建設業者がずいぶん犠牲になったはずだ」
考えたことなかったなあ。
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いくらでもおもしろくなりそうでしょ。でも「俺、そんなのやだ」と恋人と逃避行した主人公が国家機関と合流するのが、ようやく物語の半ば。あげく、テロリストに誘拐された恋人を主人公が助けた後には驚愕のラストが。ネットに「予想の斜め下」とまで書かれるラストは、ぜひご覧になってほしい。
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でも、その原点に至るまでの物語展開がまどろっしい感あり。
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キーラ・ナイトレイ様(何故か「様」付け)が素敵。
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あまり期待は無かったのだけれど、ラストにはびっくりした。
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人は死から一旦は逃れても「運命」からは逃れることはできないって、プロテスタント的な思想(特にカルヴァン派)が根本にあるのかな、と観ながら考えたり。
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失恋をみっともないくらいに嘆いた主人公が、自信と自分を取り戻していく様子が楽しい。日本では無いジャンルのコメディ。
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おいおい、おいおいおいと突っ込みながら楽しみました。
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おもしろいんだけど、二股かけられていることって、そもそもどうなのよ。
いや、わかってますよ。映画を15分、20分の細切れで観るなんて最低の鑑賞方法です。でもね、まとまった時間が取れない現状でありますし、ともかくわずかな息抜きが必要なんです(嘆息