自治体法務の備忘録

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直すとか直さないとか

 id:washitaさんの

読む人間のことや後の執務の効率を考えれば、むしろ自治体の姿勢のほうが望ましい姿であって、最小限度云々というのは所詮、手書き時代に手間を省くために作られた理屈にすぎないのではないかと私は思うのですが。
http://d.hatena.ne.jp/washita/20051115#p1

 のご意見に対するbranchさんのコメント

要は、両者(【引用者注】国と地方公共団体)の平仄が合っていないのがキモチワルイ、ということです。

 骨身にしみられた法制執務に萌え(えー
 もちろん、例規を見る一般の方は「語句の整理」がされていないことを「キモチワルイ」と思う訳でありましょうから、市民に「読まれる」「理解ができる」「使える」例規としての整備に異論はないです。
 さて、せっかくの機会なんで書いちゃうと、条文数もせいぜい限度がある自治体の例規に比べ、法律はべらぼうな長さのものがありますから、「併せて『字句の修正』を」とやりだすときりがない。「行なう」を「行う」に直すレベルではなく、40年、50年前の法律は、あー言い回し直してーという文章がまま有ります。例えば、道路法(昭和27年公布)と河川法(昭和39年公布)は構成に似た箇所がありますが、前者はかなり文章が荒っぽく、後者ではその点がずいぶんと整理されています。現代の自治体の一法務担当が読むとキモチワルクテしょうがないのですが、やっぱり直しません。直すとすれば、民法のように全部でエイヤっ。
 自治体の例規も30年、40年前のものは随分と文章が荒っぽいことがあります。政策の変更による規定部分の改正だけを行うと、かろうじて保たれていた日本語としてのバランスが破綻しかねないこともあるので、修正箇所を最小限にとどめるよう気を配りながら、当該改正部分の文言を編んでいきます。場合によっては、語句の定義をし直したり、通常よりも説明じみた文章を書いて不足部分を補ったりもします。まるでビンテージカーのレストアみたいだ。