2回目のルビを振るとか振らないとか
昨日、宅地造成等規制法等において「がけ」を「崖」に改める事例についてご紹介しましたが(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20061025/p1)、一部改正法を眺めてた同僚から質問を受けました。
同僚「これって、なんでですかね?」
「崖」の記載について、都市計画法の改正に当たっては、初出の第33条第1項第7号においてルビが振られるほか、同項第13号においてもルビが振られていますが、宅地造成等規制法では、初出の第1条においてのみルビが振られ、第2条第3号ではルビが振られません。つまり、2回目の「崖」のルビの取扱いに不整合がある。
【新旧対照表】http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha06/04/040130_2/03.pdf
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どうしてもその漢字を使わなければならないときは、その漢字を使い、これにふりがなをを付ける(例:禁錮(こ)、砒(ひ)素)。ただし、ふりがなは、原則として初出のものだけ付ける。
(153ページ)
同僚「都市計画法の改正の間違いなんでしょうか?」
私「そんなわけあんめえ」
「ワークブック法制執務(前田正道)」記述無し、「自治立法実務のための法制執務詳解(石毛正純)」記述無し、「実務立法技術(山本庸幸)」記述無し、「分かりやすい法律・条例の書き方(磯崎陽輔)」記述無し…
私「あったー!」
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やむを得ず常用漢字でない漢字を用いる場合には、振り仮名(ルビ)を付ける。
次の例のように、専門用語等で、他に言い換える言葉がなく、しかも平仮名で書くと理解することができないと認められる場合には、常用漢字表にない漢字を用いることになるが、その場合には、必ず、振り仮名を付ける。なお、かつては、法令文において当該用語が登場するたびに振り仮名(ルビ)を付けていたが、最近の新規立法例においては、初出の際に一回だけ振る例が多い。古い法令の一部改正の場合には、その法令における用例に従い、毎回振ることになる。
(213ページ)
「法令起案マニュアル」における「原則として」って、そういう意味かあ。
私「ってことは、都市計画法には同一語句に対するルビが既にあるってことになるね。」
同僚「ほんとだ。89条の2項と3項に、それぞれ『賄賂(ろ)』があります…」
なんだかなあ。