情報公開訴訟:明石市の建築概要書非公開、市の決定を取り消し−−地裁判決 /兵庫
明石市の情報公開条例に基づく建築計画概要書の公開請求で、市の非公開決定は違法として、松山市の地図製作会社「全日本地理空間情報収集活用推進」が市に決定の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、神戸地裁であった。佐藤明裁判長は「営利目的でも権利の乱用ではない」として決定を取り消した。
http://mainichi.jp/area/hyogo/news/20080423ddlk28040409000c.html
営利目的をもって権利の乱用を主張することは、確かに難しかろうとは思います。しかしながら、このような現状にあって、自治体における健全な制度運営のためにも、せめて有料化に関する議論が行われざるをえない事態がもはや生じているのではないかと個人的には感じるところです。*1
拙blogで横須賀市における条例改正の内容を紹介させていただいた記事はこちら→http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080206/p2
情報公開クリアリングハウスの奥津茂樹理事は、上記の横須賀市条例の改正を批判的に取り上げた上で以下のように結ばれています。
「悪貨」への取締りを強化するのは明らかにマイナス思考である。それよりも、公益目的の請求の負担軽減など「良貨」を増やすインセンティブを設定すべきでなかったか。行政に注文するばかりでなく、私たち市民の側も情報公開の意義をもっと広め、「良貨」を増やす努力をしなければならない。
「ガバナンス」08年2月号(ぎょうせい)113ページ
ご指摘の意図はわかりますし、行政の市民に対する透明化を図る制度の趣旨が適正に運用されるべきことに何の異存もありませんが、仮に「良貨」が増えたとしても、一定量の「悪貨」を駆逐することができないであろう点は歯がみせざるを得ません。