自治体法務の備忘録(New)

このblogは、自治体改革の凄まじい流れ中で、自治体がその役割を手探りで拡大している状況を、独自条例の制定の動向等の紹介やそれに対する指摘、そしてそこから展開される政策法務論という点からつたない内容を書き留ようという試みです。

自動販売機設置における価格競争の導入

 「地域政策研究」誌の最新号(第53号)に「調査研究レポート」として標記の掲載がありました。宮崎大氏(元地方自治研究機構)の執筆によるもので、アンケートに基づく全国の自治体の動向や事例の分析が記述されています。
 実務者にとって助かるのは、以下のような事例の分類でしょう。

(1)行政財産の目的外使用による場合
 「自動販売機の設置は行政財産の目的外使用によって行うべきである」という従前からの考え方を踏襲し、(中略)例規の規定ぶりや解釈によって価格競争を実現する考え方である。(後略)
(2)行政財産の一部貸付による場合
 自動販売機設置のためのスペースを庁舎の余剰サービスと考え、平成18年の地方自治法の改正により可能となった一部貸付によって価格競争を実現する考え方であり、最近増えつつある手法である。
(3)施設管理者の業務として行う場合
 自動販売機の設置は施設の目的の内であると考え、施設管理者が業務の一環として自動販売機を設置するにあたり、機器の設置、管理、飲料の補充、集金等の業務を自動販売機事業者に委託するという手法である。
 「自動販売機は目的外」という考え方が未だ主流である中で、自動販売機は施設に当然必要な機能の一つであるという考え方は、自治体が行うべき住民サービスや職員の福利厚生をより積極的に解釈したものであるが、実施の例はまだ少ない。

 上記の引用では割愛しましたが、それぞれのメリットとデメリットについて記述されています。気になる方はご確認を。
 このうち3番目の方法については拙blogでもご紹介させていただいたことがありましたね。
【「目的外使用許可」と「行政財産の貸付け」】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20090627/p1
 上記の1番目の方法については、引用から割愛したデメリットの一つにも挙げられていますが、価格競争による使用料の設定が困難かと思われます。ただ、これも拙blogでご紹介した、横浜市の公の施設における広告料収入の取り扱いのように*1、行政財産の目的外使用許可を受けることを要件として、料金を契約に基づいて設定することもできると思います。
 2番目の方法について、以前に庁舎敷地の駐車場を有料化するために同手法を使うことについてtihoujitiさんが批判的に指摘されていたことが同様に当てはまるかもしれません。
【行政財産の貸付】http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20081127/p2
 3番目に方法については、自動販売機の設置を起因とする事故などが生じた場合に、自治体に危険負担の問題が生じる可能性があろうかとも思います。
 いずれの手法を導入するにせよ、目的や対象の十分な検討が必要であることは言うまでもありません。

*1:hoti-akさんの説明が詳しい→http://d.hatena.ne.jp/hoti-ak/20080329/1206786779