自治体法務の備忘録

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自治体政策法務講義

 刊行からすっかりご紹介が遅くなってしまいました。

自治体政策法務講義

自治体政策法務講義

 磯崎初仁先生による、最先端の政策法務のご解説。法律論と政策論の融合という視点から政策法務を論じるところから始まり、最先端のものまでを含む既存条例の紹介、その理論と実践の具体的な説明、と記述は網羅的です。書名の「講義」に納得。
 中でも、大きく4部に構成された内容のうち「政策的検討の理論」「法的検討の理論」と2つを占める中、緻密な理論構成とプロセス重視の記述は読み応えがあります。
 また、実務者としては、政策法務の実践についての説明箇所(政策的検討でも、ちょっと触れられている)で「第一線職員論(ストリートレベルの官僚制論)」の記述が興味深かったところ。神奈川県職員でいらしたご自身の経験から解説される内容は、フランクな口調のコラムでも実務者には染みいります。

本文では、「違反者には毅然たる対応を」などと書いたが、規制行政の第一線職員は楽じゃないのである。
(263頁)

 自治政策法務の到達点と可能性を示す内容にご興味ある方は、是非お手にとって見てください。