政令指定都市
- 作者: 北村亘
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/07/24
- メディア: 新書
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本書は、戦前の大都市統治から、幻となった「特別市」を経て、政令市が政治の中でいかに取り扱われてきたかを解説します。
先日、ある研究者の方から雑談で、大阪市の橋下市長は、当初は知事でいらしたので都制度を提案されているが、大阪市長が振り出しであったら特別市制度を主張されていたのではないか、と伺ったことがありました。
その真偽は不明ですが、本書では章を2つ使って「大阪」地区に切り込んでいます。実際、私が読み始めたのも、それらの章からでした。
そういえば、政令市にお勤めの方には、私の知人も少なくないな。ご迷惑かと思いますので、お名前は差し控えさせていただきますが、皆さま、おもしろい本ですよ。
ただ、政令市における「プレイヤー」を論じた第4章において、長と議会との関係を論じた一節のうち、
端的に言ってしまえば、議会が首長提案を過半数で否決したとしても、再議決には3分の2以上の議員の合意が必要となる。そのため、結果として、首長政策選考に近い3分の1の議員たちによった立場でしか、再議決による修正は困難である。
(166〜167頁)
という記述には首をひねるところです。
拙blogにも過去に記述しましたが、否決された議案を再議に付すことができないのは一般的な理解であるはずだからです。*1
【否決議案の再議】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20120926/p1
【続・否決議案の再議】http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20120927/p1
そのため、上記引用の後段にいたっては、記述の意図を読みとりがたいように思えます。*2