「特別区」「総合区」「行政区」
先輩「今回の自治法改正で導入された『総合区』って、『特別区』とは違うんだよね」
私「『特別区』は、東京都23区、自治法に定める特別地方公共団体です。それに対して、『総合区』は基礎自治体としての政令市の区域でしかありません。端的に言えば、議会がない」
先輩「従来の『行政区』とはどう違うの?」
私「『総合区』の区長は特別職なんですよ。市長がその選任に当たっては議会の同意が必要です(改正自治法252条の20の2第4項)」
先輩「具体的には何をやるの?」
私「報道では『行政区からの格上げ』と説明されるように、特別職としての役割に期待があるようです。改正自治法252条の20の2第8項各号には、その職務の主なものとして以下の記述があります」
先輩「ややこしいな。『行政区』を『総合区』とするかは、自治体の任意なんでしょ」
私「ええ。条例事項です(改正自治法252条の20の2第1項)」
先輩「住民にとって、名称が同じ『区』では、行政区か総合区かは分からないよね」
私「それ言ったら、『特別区』との区別もつきにくいのが現状ですよ」
先輩「総合区長の仕事に戻ると、従来も市長からの事務委任で権限を拡大することは出来たわけだよね」
私「確かにそうですが、「自治法上の特別職」という点で期待される役割は大きいはずです」
先輩「実際は、どの程度導入の見込みがあるんだろう?」
私「政令市も旧5大都市*1から規模の小さいものまでいろいろあります。それぞれの実態によるんじゃないですかね」