自治体法務の備忘録

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公有地の拡大の推進に関する法律施行令第4条ただし書の規模を定める規則

 このたびの一括法対処で、公有地の拡大の推進に関する法律施行令に基づく条例整備については、既に半鐘さんがご紹介されています。
【公拡法施行令第3条第3項ただし書の規模を定める条例】http://hanshoblog.blog50.fc2.com/blog-entry-553.html
 上記は政令(公有地の拡大の推進に関する法律施行令)に基づく権限移譲で条例を整備しなければいけない事例ですが、法律に基づく権限移譲で規則を整備しなければいけない事例についてメモしておきます。

【公有地の拡大の推進に関する法律】
地方公共団体等に対する土地の買取り希望の申出)
第五条 前条第一項に規定する土地その他都市計画区域内に所在する土地(その面積が政令で定める規模以上のものに限る。)を所有する者は、当該土地の地方公共団体等による買取りを希望するときは、同項の規定に準じ主務省令で定めるところにより、当該土地が町村の区域内に所在する場合にあつては当該町村の長を経由して都道府県知事に対し、当該土地が市の区域内に所在する場合にあつては当該市の長に対し、その旨を申し出ることができる。
2 (略)
※kei-zu注 強調部分が改正箇所

 上記に関し委任された政令では、以下のように規定されています。

【公有地の拡大の推進に関する法律施行令】
(法第五条第一項の政令で定める規模)
第四条 法第五条第一項に規定する政令で定める規模は、二百平方メートルとする。ただし、当該地域及びその周辺の地域における土地取引等の状況に照らし、都市の健全な発展と秩序ある整備を促進するため特に必要があると認められるときは、都道府県知事は、都道府県の規則で、区域を限り、百平方メートル(防災再開発促進地区の区域内にあつては、五十平方メートル)以上二百平方メートル未満の範囲内で、その規模を別に定めることができる。

 ここで任意の規則を制定できるのは都道府県知事である旨の記述であるのはご覧のとおりです。
 さて、このたびの法律の改正に伴い、従来は県の規則で定めていた規制を引き続き市の範囲内に適用するのであれば市で規則を同種の内容を定める必要があります。その検討の参考にと、担当課に規則案を書いて渡したところ、こんな話を聞きました。
「よその自治体に聞いたら、政令の該当部分は改正がないんで、引き続き県の規則が適用されるってことだったんですけど…」
 ご指摘のとおり、政令4条は改正がありません。しかしながら、2条1項1号で「都道府県知事」を「市町村長」に、3条3項で「都道府県」を「市」に読み替える規定が今回の改正で追加されていますので、4条で規則を定めるべきは市になるのですね
 政令6条で具体的な事務も市で行うこととなっており、権限だけ降りていて規則制定権が引き続き県に存置されるのは理屈がおかしいでしょう。もっとも、その具体的な適用の可否は担当課の政策的な判断によるべきであるのは言うまでもありません。
 読みにくいこともあり、同様に悩まれるかもしれない方のためにメモしておきます。