自治体法務の備忘録

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「私」ではなく「あなた」を

 先日、ある方から原稿として執筆されている文章のチェックを依頼されました。
 チェックとはいっても、内容が充実していることはもちろん、ご自身の知見に基づくものなので、今さら私が意見できるものではなかったのですが、「気が付いたことがあったら、なんかコメントして」という意図でしょう。
 何も指摘事項がないのも申し訳なく思い、うーん、と唸って、私自身が文章を書く際に気を付けていることをコメントさせていただきました。

 書く主体は執筆者ですが、読まれるときは(当たり前ですが)読者が主体です。
 特定の注意を引く意図がある場合を除いて、極力「私」の立ち位置を透明にした方が良いです。
 ※逆に言えば「私」の記述を行う際は、読者の思い入れが可能になるよう工夫が必要です。

 「俺が」「私が」で筆が走りやすいところを、意図的にでも「コペルニクス的転回」を行って文章を組み立てると、読者に届きやすいものになるかと思います。
 そういえば、「自治体職員による情報発信」というお題で「地方自治職員研修」誌に掲載された、私の「商業誌デビュー」について、今年の初め、こんなことを書きました。まあ、あまり手の内を見せるべきではありませんが。

「私はこう調べて、こうやっている。こうやればあなたもできる」と当初に書き連ねたものを読み返し、(中略)結果、草稿を書き直し、「自治体職員が学ぶのは時代の必然であるし、これを読んでいるあなたも発信の主体になりうる。私はその一例にすぎない」と構成を全部ひっくり返したのです。
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20140113/p2

 本日の標題は、学生時代に行ったラーメン屋の壁に貼ってあった標語集の一節です。「親父の小言と冷酒は後で効く」の類ですが、今でも覚えているのは、よっぽど印象が強かったのでしょう。
 なお、学術論文の執筆に関しては「先人の研究を踏まえて、自分の見解をいかに展開するか」が主眼ですので、上記は当てはまらないかと思います。為念。