自治体法務の備忘録

管理人のTwitterは、@keizu4080

改め文と新旧対照表

id:joho_triangleさんのご指摘

改正部分以外の部分のチェック問題に関しては、各自治体に導入されている例規集システムには、「新旧対照表作成機能」がついているんじゃないですかね?http://d.hatena.ne.jp/joho_triangle/20050228/p2

 私がデモンストレーションとして見た主流のパッケージソフトは、どれも新旧対照表作成支援機能がありましたね。でも、洋々亭さんの例規リンク(http://www.hi-ho.ne.jp/tomita/reikidb/reikilink.htm)をたどると謎のソフトが散見されるので、それらにこの機能があるかはわかりません。

そうした機能を活用すれば、それほど手間はかからないよーな気が。

 現状において、ほとんどの自治体で、改め文の作成とともに、議会に上程の際の資料として新旧対照表が作成されていると思います。そもそも、新旧対照表形式の改正を行っている自治体は、「改め文と新旧対照表の両方を作るのは手間だから、一方にしようよ」というのが発想の発端であるかと。
 もっとも、id:joho_triangleさんが掲示された例のように公報で新旧対照表までを掲載されているのは珍しいと思います。試みとして評価されるべきでしょう。
 でね、id:VieilleGardeさんに厳しいことを言われたから言う訳じゃないですが(笑)改正条例による溶け込みの誤りの誤植も時々(というか非常にまれに)あるのですよ。「おかしいなあ、なぜこんな書き方するかなあ」と20年以上前の原議をひっぱりだして誤記が判明したり。もちろん、業者さんの責任ではなくて、校正を完璧にやっていない自治体が悪いのですよ。ええそうですよ。
 数少ない事例をあげて弁解するのも気が引けますが

改正部分以外の部分に引用の誤りがないかのチェックが必要となり、かえって手間が増えるおそれがあるという問題

は、厳としてあるわけです。
id:washitaさんの

そもそも全てが手書きだった時代に、筆記量を減らすために考えられた技術に過ぎないでしょうし…
http://d.hatena.ne.jp/washita/20050228#p1

というご指摘は、まさしくそのとおりですが
id:joho_triangleさんの

この「改め文方式」の、ただ「改める部分」を明確にするだけではなく、「改めない部分」には出来る限りサワラナイという態度(!?)。 この「改めない部分」に対する取扱いが、「改め文方式」のひとつの核となるモノかなって感じがしてます

というご指摘も正しいかと思います。
 30年以上前の条例などは、その規定ぶりをもっと「法制執務」的に書き直してしまいたいことがあります。これは、別に現状の規定が違法状態というわけではなく、技術として蓄積された規定ぶりで文言を整理したいという欲求にすぎません。これは、自治例規にかぎらず、法令においても古いものが読みにくい理由ですが、じゃあ語句などの一部改正の際に条項を書き直してしまうかというと、やっぱりやらないわけです。条文を構成しなおしてしまうことによる不測の事態を避けることが理由の一つであると思いますが、改め文形式による「部分の改正」を実施するのはそういった理由もあるのでしょう。

ところで、「縦書き」は「横書き」に改めませんか? 全国、自治体関係者のみなさま。 公開している例規集は「横書き」なのですから。

 例規の横書化についは、ニッチなニッチなお話があるのですが、え〜と、また次回に。