自治体法務の備忘録

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路上喫煙 ポイ捨て 柏市 1日から2000円の過料、氏名公表も

http://www.tokyo-np.co.jp/00/cba/20050930/lcl_____cba_____004.shtml

柏市ぽい捨て等防止条例】
(勧告)
第11条 市長は,強化区域外において第7条の規定に違反してぽい捨て若しくは路上等喫煙をした者,同条の規定に違反して違反ごみ出しをした者又は第8条第1項の規定に違反している者に対し,快適な生活環境の保持を図るために必要な限度において,行為を中止し,又は相当の期限を定め,空き缶等を回収し,若しくは実施計画に沿うように,若しくは回収容器を設置し,若しくはこれを適正に管理するように勧告することができる。
(公表)
第12条 市長は,前条の規定による勧告を受けた者が,正当な理由がなくて,当該勧告に従わないときは,その者に意見を述べる機会を与えた上で,柏市公告式条例(昭和29年柏市条例第3号)第2条第2項第1号に規定する市庁舎掲示場への掲示及び柏市広報かしわ発行規則(昭和47年柏市規則第30号)に基づき発行する広報かしわへの掲載により,次に掲げる事項を公表することができる。
(1) 前条の規定による勧告に従わなかった者の氏名及び住所(法人にあっては,その名称及び代表者の氏名並びに主たる事務所の所在地)
(2) 前条の規定による勧告の内容

 「公表」という手段は、行政指導に従わなかったことによる対処ですが、「罰則」的に利用されるのは本来ではなく、リクツとしては「情報提供」として利用されるべきです。例えば、違反の多い工務店の名前の公表は、市民に対して「気を付けてくださいね」の意味で行われるということです。本件においては、まさか、「この人はゴミをまき散らす人だから、周辺の人は気を付けてくださいね」の意味の「公表」ではないでしょう。
 そもそも、「行政指導に従わないこと」に対して「罰」を規定することは、行政手続法(or行政手続条例)上、望ましいこととはいえません。(行政指導に従わないことに対する不利益処分に当たるため)
 本blogにおける参考記事→http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20050107#p4
 なお、本条例においては、公表にさきだって「その者に意見を述べる機会を与え」ていますが、「実際的に不当な取扱いを受ける」ものとして行政手続法(or行政手続条例)に準じた取扱いを設けることは、「情報提供」としての「公表」においても必要であるとは思います。
 また、法制執務的なツッコミをすると、条例における規則の引用(柏市広報かしわ発行規則(昭和47年柏市規則第30号))は、一般的ではありません。(法律で政令を引用しないのと同様)