自治体法務の備忘録

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公表規定の取扱いについて

 行政指導の実効性確保の手段としての「公表」の取扱いについては、今月に入って何度か掲載していますが、
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20051006#p7
http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20051001#p2
厚生労働省の取扱いに関して、id:AKITさんとbewaadさん、id:paco_qさんのやりとりが興味深い。
http://d.hatena.ne.jp/AKIT/20051013/1129193701
http://bewaad.com/20051015.html#p04
http://d.hatena.ne.jp/paco_q/20051016/1129411500
http://d.hatena.ne.jp/paco_q/20051019/1129665410
http://bewaad.com/20051019.html#p01
 記事の内容の詳細が不明なので、横からのコメントは差し控えますが、行政が行う情報提供としての「公表」自体の取扱いについて、行政の末端でひいこらいっている法務担当の立場から所感を述べさせていただくと、経済環境ひいては社会構造の複雑さが進展する中で、本来であれば消費者の取捨選択により自立的に機能すべき市場経済において、行政が消費者を救済するために能動的に(「公表」という形で)波紋を起こすこと自体は否定はされない、というより場合によれば積極的に認められる局面はあるとは思います。*1
 ちょっと脱線すると、自治体における公の施設に対する指定管理者制度の導入等、「官」の領域において「民」の果たす役割が大きくなっている一方で、上記のように「民」の領域(この場合は「経済市場」)における「官」の役割が期待されてきている部分は、なおもあるのではないか。
 したがって、国民(市民)救済のための「情報提供」たる「公表」は有用な手段であると思うわけですが、問題は、上記サイトでご指摘のとおり、情報公開法(条例)や行政手続法(条例)(そして場合によれば個人情報保護法(条例))との関係な訳で、一義的にではなく、総合的に検討の上、制度設計と実務の運用を行わなければいけません。
 だからそのつまりえーと何を言いたいかというとですね。
 「公表」規定の取扱いについては慎重に検討ください(^^;>各自治体の法務担当者の皆様
※当初の記事掲載後のbewaadさん及びid:paco_qさんの記事へのリンクを追加しました。

*1:もちろん、id:AKITさんが「公表」自体を否定しているととらえているわけではありません。念のため(^^;