自治体法務の備忘録

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首長の多選禁止の条例制定

 bottomさんがご掲載の記事から

多選自粛条例については、地方自治法(というよりも公職選挙法→追記)との関係などからいろいろな議論があるようですが、ほとんど議論の中身を理解していないので、まともなコメントはできません。しかし、素朴に自治体の「自律」の問題として、努力規定や現知事限りとするなどではなく、多選を「禁止」する条例を作っても良いように思うのですが・・・。
http://bottom.at.webry.info/200510/article_35.html

 自治基本条例にお詳しい辻山幸信氏(地方自治総合研究所)のご講義で「自治基本条例で多選防止を規定する例があるが」と前置きされた上で、2元代表制である自治体において、議会が条例というカタチをもって首長の多選を制限するのは、議会の権能としての範囲を超えて「品がない」のではないか、と言う旨のお話しを伺いました。市民のワーキンググループの積み上げによる自治基本条例(案)であれば否定はしないが、意見をもとめられたら上記のように言っている、とのことでした。
 現状の自治制度において強力な権限を持っている首長に対する議会の牽制として否定はされるべきものではなかろうに、と首をひねりましたが、コメント欄で「ゆ」さんご指摘の論点なのでしょうね。

住民が「多選はよくない」と思うのならそういう候補は当選しないだろうし、逆に「多選でもいいからこの人で」と思うのなら、その意思を尊重すべきなのであって、法律や条例で住民の選ぶ権利を制約するというのは憲法第15条及び第93条の趣旨に照らして不当な制約となる、という考え方なのでしょう。

 辻山氏のご著書で、ご発言の意図を確認したいと思っているのですが、多忙にかまけて実現していません(^^;
 何が言いたいかというと、条文を編むに際して、既に他の自治体で行っているから、トレンドみたいだから、と思考停止になることなく、その意味と効果を十分に理解し、説明できるようにしなければいけません、と、自分にいいきかせている今日この頃、お元気ですか、ke-zuです。(えー