自治体法務の備忘録

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イロハとかアイウとか

 イロハの細分について、参議院法制局法制執務コラム集に記載がありました。

これ(【引用者注】「号」)を更に細分して列記するときには、過去の立法例では「(一)、(二)、(三) …」を用いたこともありますが、現在では、「(1)、(2)、(3)…」を用いることになっています。政令になると、これを更に細分して、「(i)、(ii)、(iii)…」を用いて列記した例もあります。
http://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column021.htm

 読んでいたはずなのに完全に忘れていますた…orz事例に接してないと駄目だなあ。

国土庁設置法の中に、先般の通常国会で成立した被災者生活再建支援法の附則による改正で、「イ、口、ハ…」で列記された事項がとうとう「…エ、ヒ、モ、セ、ス」の「ス」まで到達することになってしまった条文があります。次回、この条文を改正して列記事項を追加するときにはどうするのか、筆者のように立法技術に関係する仕事に携わる者にとっては、なかなか興味深いところがあります

という下りを読んで笑った記憶はあったのですが(^^;
 さて、「公用文作成の要領(昭和27年4月4日付け内閣閣甲第16号内閣官房長官依命通知)」ですと、縦書きの場合に
 第一 一 1 (一) (1) ア
 第二 二 2 (二) (2) イ
 第三 三 3 (三) (3) ウ
とされているところ、法令においては、号の細分をイロハで行っていますよね。
 翻って、横書き例規に際して、(法令の縦書き制定時には準拠していない)「公用文作成の要領」に従って、アイウの細分に(ア)(イ)(ウ)を使用するというのも、なんだか腑に落ちない気はいたします。
 一方で、以下の記事も見つけました。

 本則は、いくつかの条で構成されているのが普通である。条は、「第…条」という条名と条文から成っている。条を更に細分するときは「項」、「号」、「イ、ロ、ハ、……」、「(イ)、(ロ)、(ハ)、……」に区分される。
「公用文作成の手引き 第四次改訂版」千葉県(第一法規)111ページ
 ※千葉県の例規は縦書きです。

 あらら。ここらへん、結構自治体ごとにローカルルールが有るかもしれませんね。そうなると、先般ご照会した和歌山県の事例(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060216/p3)も、同自治体における内部的な規定に止まるものかもしれません。
 なお、「法制執務詳解 4訂版」50ページでは、政令を紹介の上、イロハの細分として「(1)(2)(3)」が掲載されています。同書は、次回の改定時に横書き化を試みられる旨が「はしがき」に掲載されていますが、その際に果たして「アイウ」の細分は「(ア)(イ)(ウ)」とされるのでしょうか。