自治体法務の備忘録

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平成26年度 財政制度等審議会 財政制度分科会「地方財政について」

 上記に関連して、いささか旧聞に属しますが、標記の資料をご紹介しましょう。
地方財政について】https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia260404/01.pdf
【関連資料】https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia260404/02.pdf
 財務省の立場として、今後の国の地方財政に関する考え方が端的に示されています。地方法人特別税に関するものを含め、議事要旨からいくつか抜粋します。

  • 地方の積立金残高を見ると、確実に地方財政に余裕が出てきていることが分かる。国の財政が厳しい中で、地方歳出を厳しく見ていく必要。
  • 地方の積立金については、使途との関係で議論する必要。何に使われる予定なのか調べるべき。
  • 地方税の偏在是正の問題に取り組むべき。
  • 給与関係経費の適正化の議論については、交付税額の算定における議論である点を分かりやすく説明する必要がある。
  • 地方法人特別税は、地方間の格差是正の観点から講じた重要な制度であり、今後も残していくべき。
  • これまで地方財政計画の歳出面における決算との乖離是正を進めてきたが、歳入面における決算との乖離是正も進めていく必要。
  • 今後、地方税による水平的な財源調整を拡大する必要。
  • 地方の財政についても、フローの議論だけではなく、バランスシートを見ながらストックの議論も行うべき。

http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/outline/zaiseia260404.html

 サイトのトップはこちら→http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html
 同種の資料に基づく、青木孝徳主計官による平成26年地方財政対策についての解説もネットで読むことが出来ます(財務省広報紙「ファイナンス」16年4月号)。
平成26年地方財政対策について】http://www.mof.go.jp/public_relations/finance/201404f.pdf
 ただ、上記に取り上げられた内容の中には、個別に多様な面から検討されるべき余地があるかと考えます。また、ちょっと脱線しますが、上記解説の脚注で、

地方の財源不足に対して、地方交付税の法定率を引上げで対応すべきとの意見があるが、地方の財政状況の悪化に対して地方は責任を全く負わず国が全て責任を負うということになり、地方に比べて著しく悪化している国の財政状況を更に悪化させることになるため適当でない。
(45ページ)

という説明には、法定率の引き上げが一概に「国が全て責任を負う」というべきか、いささか戸惑いを感じました。
 確かに、財政状況の悪化に関し地方の責任も論議されましょうが、小泉総理大臣(当時)による「地方交付税は、国税5税の一定割合が地方団体に法律上当然に帰属すると言う意味において、地方固有財源であると考えます」という国会答弁があるところです(H17.2.15衆本会議)。