自治体法務の備忘録

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自治基本条例、制定難航

飯田市議会が3月議会に議員提案で目指してきた「飯田市自治基本条例」(仮称)の制定が事実上困難であることが、19日午後1時半から議会棟で開いた議会議案検討委員会(中島武津雄委員長)の第27回会議ではっきりした。

 ええとですね、この時期に3月議会の上程は無理でしょ。法制執務的な時間の問題ではなく、条例案パブリックコメントを設けるなどの手続き的な時間の問題として。

これまで議会側は、市民会議がまとめた骨子を基に条文案を作成することが先決で、市民への説明は条文案ができた段階でシンポジウムや地区懇談会などを行い、市民の声を反映させていくとしてきた。これに対し、市の法制担当幹部は条文案を作成するには、市の骨子を決める必要があり、そのためには市民に説明し合意を得ることが前提になるとした。

 美辞麗句を並べて条文を作ることは簡単なのです。(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20050111#p2
 なお、市長部局の意見として気になるのが、次の部分

委員会に出席した法制担当幹部も「(略)一般の条例なら県の条例準則に基づき比較的短期間につくれるが、自治基本条例のような独自の条例となると、準備と検討が必要で相当時間がかかる。

 もうちょっと言い方があるだろうが。問題となるべきは法制執務的な論点では無いだろうに。また、「準則(「条例(例)」と言うべきでないか、というつっこみはともかく)」以上の仕事は、通常はしません。みたいな口振り。まあ、マスコミが自分の解釈を短くまとめてしまって、発言のニュアンスが変わってしまっている可能性がありますが。
 「準則」を利用しても、条例の内容を検討するのは可能、というより、本来しなければいけないものであって、「準則」を「ベンチマーキング」として条例制定にあたることは、

が参考になります。
 いろいろ言いましたが、「議会主導で自治基本条例を制定するもの」として注目するべき事例ですので、今後の経過が気になります。