自治体法務の備忘録

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介護保険条例(参考例)

 以前にご紹介しました、介護保険に係る激変緩和措置対象者の保険料について(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20071102/p2)、12月12日に政令が公布されたことを受け、厚生労働省から自治体条例の改正に係る準則が示されました。リンク先は三重県のウェブ掲載の資料です。
税制改正に伴う介護保険料の激変緩和措置を平成20年度まで延長する政令等について】http://www.pref.mie.jp/CHOJUS/HP/kaisei/SVOL/SVOL25.pdf
 以下はご参考まで、前回(平成18年3月1日)に示された条例(例)です。上記のこのたびの例示では、追加部分の提示のみですので、以下に掲載された条例(例)の全文を併せてご参照ください。
介護保険条例参考例について】http://www.pref.mie.jp/CHOJUS/HP/kaisei/VOL_000/VOL68.pdf
 なお、上記の、このたびの国のパブリックコメントの結果はこちら→http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?ANKEN_TYPE=3&CLASSNAME=Pcm1090&KID=495070166&OBJCD=&GROUP=
 とりいそぎ、このたびの例示で気が付いたことをいくつか。
 
(1)改正の形式について
 今回の改正について、例示では、追加されるべき「附則」の記載のみあるが、本体の改正が存在しない、附則のみの追加はありえない(附則は本体の改正に伴う経過措置で有るべきなので)。
 また、このたびの条例改正の根拠となるべき政令は、平成18年改正政令を改正するもの(したがって、その名称は「介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令の一部を改正する政令」です。)なので、平成18年当時の改正条例の附則に追加するのがベター
 したがって、「(平成二十年度における保険料率の特例)」の見出しが掲げられた、このたび例示の第2条を、語句整理の上で、平成18年当時の改正条例の附則第3条第3項とするべきでしょう。(この場合、第3条の見出しも、平成20年度の特例を含む内容に改正する必要がある。)
 このため、改正の形式は、「何市(区、町、村)介護保険条例の一部を改正する条例の一部を改正する条例」ということになる。
 
(2)条項の引用について
 前回の改正時に、当時自治体の部長職として出向していらっしゃったbranchさんは以下のように指摘されています。

 午後、昨日にようやく公布された介護保険法施行令の一部改正を踏まえた介護保険条例の一部改正案の審査。懸案の、激変緩和措置を原始附則に書くか改正附則に書くかについては、原案では原始附則に書く形となっている。 介護保険条例参考例の改定案(PDF)では改正附則に書く形となっている(改正附則第2条では裸で「第15条第1項」と書いているが、これは誤り。
http://www.seri.sakura.ne.jp/~branch/diary0603.shtml#0302
※強調はkei-zu

 このたびの例示でも、同様の指摘がされるべきですので、注意が必要です。
 なお、上記のご指摘に関する私の記述内容はこちら→http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20060302/p5
 
(3)政令名の引用について
 このたびの例示の第2条で、今回の条例改正の根拠となる政令を「介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令の一部を改正する政令(平成十九年政令第三百六十五号)による改正後の介護保険法施行令及び介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令の一部を改正する政令(平成十八年政令第二十八号)」と引っ張っていますが、18年度からの税制改正に係る経過措置を定めたのが改正政令附則の趣旨であって、このたびの改正はその延長ですから、ここまで丁寧に書く必要はない
 前述の通り、既存の改正条例附則第3条に追加して第3項とする場合は、同条第1項の略称規定に従って「平成十八年介護保険等改正令」と書けば足りる。