自治体法務の備忘録

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日本自治学会セミナー

 都道府県会館で開催された、標記のセミナーに参加させていただきました。

「消費税増税自治体の社会サービス~消費税率引き上げに自治体はどう対応すべきか~」
○講師
 池上岳彦氏(立教大学経済学部教授)
 小西砂千夫氏(関西学院大学大学院経済学研究科・人間福祉学部教授)
○進行
 城本 勝氏(NHK解説副委員長)
http://www.nihonjichi.jp/20140404seminer.pdf

 池上先生はご都合により欠席とのことで、総務省自治財政局調整課の境勉課長が代わりにご講演されました。
 小西先生のお話しはおもしろく、メモを取り出したらノートがいっぱいに。今回の消費税増に伴う「社会福祉制度の充実」に障害者福祉が含まれていないのは、社会福祉制度改革に障害者福祉の制度設計が間に合わなかったからとのこと。

消費税法
(趣旨等)
第一条 (略)
2 消費税の収入については、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)に定めるところによるほか、毎年度、制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てるものとする。

 境課長によれば、医療・介護の制度改革については、法案の提出もこれからであり、走りながらの制度設計とのこと。一方で、どのピースがはずれても達成できないのが、今回の社会福祉制度制度改革とのことでした。今後の動向には目が離せません。
 質疑応答では、今後の福祉行政のあり方における自治体の役割に関し、神野直彦先生が提唱される現物給付の拡大の動向について質問させていただいたところ、小西先生より、現在提示されているメニューは現物給付が多く、全体的には良い傾向だと思うが、補助事業が多く、単独事業の少なさが気になるとのご回答いただき、大きく頷きました。
 他にも現場の自治体としては気になる話題が多く、このような機会を設けてくださった主催者には感謝申し上げます。