自治体法務の備忘録

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ごみ集積所に出された資源物は市の所有物です

この改正はいわゆる「抜き取り行為」を防止し、市によるリサイクル事業を安定的に継続する為、集積所に適正に排出された資源物は市の所有物とするものです。
http://www.city.inzai.chiba.jp/cgi-bin/odb-get.exe?WIT_template=AC020000&WIT_oid=icityv2::Contents::1685&TSW=upqqbef

 資源ゴミの持ち去りの防止に関する条例は、東京都杉並区の「杉並区廃棄物の処理及び再利用に関する条例」が、おそらくく先駆けでしょうが、先日、兼子仁教授(東京都立大学)のご講演で、先生が「自治体が一方的に所有権を宣言することが妥当であるのか」というご指摘を聴いて、思わず「あ」と声を上げてしまいました。
 先生のご指摘は、
・集積所に置かれた資源ゴミは、基本的に無主物であり、先占により所有権が決まるのではないか
自治体が集積所に置かれた資源ゴミの所有権を主張するためには、自治体が集積所の管理・運営を行っている状況が前提として必要なのではないか
・そうなると、前日夜間に置かれたゴミの取扱いや隣接区域の集積所への放置、ひいては、そもそも自治体内における集積所の適切な配置などについて、自治体は責任がとれるのか
ということでした。
 同種の条例では、「リサイクルを適正に運営するために」等の目的規定がおかれているわけですけれども。
 もちろん、先生は、同条例に文句を言っているわけではなくて、政策法務論における思考実験としてご指摘されたわけで、法制執務担当者としては、冷や水を浴びせられたされた思いがしました。(言うまでもないですが、ここで私が同条例が違法だと言っているわけではありません。)
 なお、杉並区では、区内の集積所から古新聞などの資源ゴミが盗まれたとして被害届を出、警視庁高井戸署が容疑者を書類送検した事例があるようです。

 でも、まあ、「あ〜あれだ、○○市の条例な、あれと同じの、作れ」というように急に振られたときに気を付けるよう、自戒とします(笑)