自治体法務の備忘録

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判決

ホームレスの「住所は公園」逆転敗訴確定へ 最高裁初判断

大阪市北区の扇町公園でテント生活をしているホームレスの男性が公園を住所とした転居届を不受理とした処分の取り消しを区長に求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(津野修裁判長)は3日、男性の上告を棄却した。公園を住所とした住民登録を認めた1審…

監督不足と国に15億賠償命令 大和都市管財訴訟

破たんした抵当証券会社「大和都市管財」(大阪市)グループによる巨額詐欺事件をめぐる国家賠償請求訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は26日、全国の被害者約620人について、国に約15億5800万円の支払いを命じた。 http://www.47news.jp/CN/200809/C…

建築確認と被告適格

よその自治体の話しなんですが、と前置きの上で聞かれました。 民間の指定確認検査機関が、建築確認を行い、確認済証を交付した。 周辺住民が、特定行政庁の建築審査会に、確認処分の取り消しを求める審査請求を提起した。 建築審査会の棄却決定について、裁…

行政事件訴訟法の改正と市の事務

さて、このたびの最高裁による判例変更は、上記の報道でも指摘されるように、行政事件訴訟法の改正によるところが大きく、また、行政の事務執行に対する影響力はかなりのものがあります。 しかしながら、実のところ、4年前の同法の改正に当たっては、自治体…

最高裁判例変更の報道

昨日ご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080910/p1)、最高裁による42年ぶりの判例変更について、いくつかの詳しい報道が出始めました。 【浜松・区画整理訴訟:最高裁差し戻し判決 原告団「これからが本当の裁判」/静岡】http://mainichi.jp/ar…

計画段階で提訴可能=区画整理訴訟で門戸拡大−42年ぶり判例変更・最高裁

土地区画整理事業の計画決定段階で住民が取り消しを求めることができるかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎長官)は10日、計画段階では行政訴訟を起こせないとした最高裁判例を42年ぶりに変更し、住民側の提訴を認める判断…

市長の量刑、追徴金ランキング

ボツネタ経由(http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20080828/p7)で http://www.shihoujournal.co.jp/topic/080827_1.html

白山ひめ神社御鎮座二千百年式年大祭奉賛会損害賠償請求控訴事件

議会準備の一段落して、ちょっと前に届いた「判例時報」誌No.2006(20年8月11日号)に目を通すと、以前にご紹介させていただいた(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20080409/p2)、白山市長による神社の行事参加が違憲とされた高裁判決が掲載されていまし…

古紙持ち去り禁止条例の法設計

ごみ集積所からの古紙持ち去りについて、最高裁で有罪判決が確定した旨は、tihoujitiさんがご紹介されており(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20080719/p1)、最高裁のサイトではまだ判決文がアップされていませんが、この分野の法設計においては、tihouji…

時間は夢を裏切らない

ボツネタ経由(http://d.hatena.ne.jp/okaguchik/20080710/p13)で。裁判ウォッチャーとして有名な著者による傍聴記です。 内容は、Mが作ったCHEMISTRYの曲「約束の場所」の歌詞が、Mの漫画「銀河鉄道999」に出てくるセリフに酷似してる、と。 それで、盗…

婚外子国籍確認訴訟:婚姻条件の国籍法違憲 日比間の子10人を認定−−最高裁初判断

大法廷は、同項が設けられた84年当時は規定に合理性があったが、その後の家族生活や親子関係の意識変化、多様化で、立法目的にそぐわなくなっていると指摘。「国籍取得は基本的人権の保障を受ける上で重大な意味を持ち、不利益は見過ごせない」と述べた。 …

市幹部ら「想定外」 神戸市外郭人件費訴訟

地元紙による詳しい報道です。 神戸市が外郭団体に支出している補助金約四十八億円を違法と認定した二十四日の神戸地裁判決。「(人件費支出の)判断を放棄している」との指摘にも、会見に臨んだ幹部らは「適正に審査している。想定外の結論だ」と首をかしげ…

情報公開訴訟:明石市の建築概要書非公開、市の決定を取り消し−−地裁判決 /兵庫

明石市の情報公開条例に基づく建築計画概要書の公開請求で、市の非公開決定は違法として、松山市の地図製作会社「全日本地理空間情報収集活用推進」が市に決定の取り消しを求めた訴訟の判決が22日、神戸地裁であった。佐藤明裁判長は「営利目的でも権利の…

世田谷清掃・リサイクル条例事件控訴審判決

以前にもご紹介した(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20071130/p2)標記の件につきまして、「判例時報」最新号(平成20年4月21日号)に判決文の掲載がありました。

市長の神社行事参加は違憲 高裁、公費2千円返還を命令

裁判で市長側は「全国的に有名な神社の大祭は市の観光イベントでもあり、市長の参加は儀礼的交際」と主張していた。しかし、判決は、市長の行為は特定の宗教に対する援助で「社会的儀礼にすぎないものとは到底認められない」として、宗教活動にあたると認定…

マンション条例訴訟:国立市敗訴…賠償責任が確定

東京都国立市の通称「大学通り」に高さ44メートルの14階建てマンションを建築した明和地所(渋谷区)が「建物の高さを20メートルに制限する条例の制定で営業を妨害された」として、市に賠償を求めた訴訟で最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)は11日…

地元の同意がないことを理由とした不許可処分が違法とされた事例

平成19年12月9日に最高裁で出された標記に関する判決について、「地方自治職員研修」08年3月号(公職研)に、羽根一成弁護士による解説が掲載されていました。 地元の同意を求める行政指導は、紛争防止のためには軽視できませんが、それがないからと…

古紙持ち去り、逆転「有罪」次々 7人の無罪一転

有罪と無罪の判断が分かれた大きな理由は、持ち去りを禁じた場所が条例で明確に規定されているかどうかのとらえ方の違いがある。 集積所には看板や表示のないところがあり、区によると約5万1000カ所のうち、明示されているのは約3万カ所にとどまる。人…

千葉県に290万賠償命令 児童養護施設内の虐待

千葉県船橋市の児童養護施設「恩寵園」の元入所者11人が、長年にわたる元園長(71)らの虐待で精神的苦痛を受けたとして、施設を認可した県などに計約1億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁は20日、うち7人に計約290万円を支…

資源ごみの持ち去り

tihoujitiさんがご掲載の記事経由(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20071210)で 【回収業3人に逆転有罪 古紙持ち去りで罰金20万】 今年3月の東京簡裁判決は「条例は集積所の規定があいまいで、犯罪構成要件として不明確」と指摘したが、中川武隆裁判…

体罰教師の名、公開?非公開? 最高裁判断に教委困惑

学校での体罰に関する書類について、教師や学校の名前などを非公開とした兵庫県教委の決定は不当だとして、神戸大大学院法学研究科の馬場健一教授が決定の取り消しを求めた訴訟で、最高裁の第一小法廷(泉徳治裁判長)が11月22日、県教委の上告を棄却し…

計画決定も「行政処分」とする最高裁判例見直しか

【区画整理、計画段階で提訴も…最高裁41年ぶり見直しか】 自治体が土地区画整理事業の計画を決定した直後に、計画内容を不服として住民が決定取り消しを求めることができるかどうかが争点となった行政訴訟の上告審で、最高裁第3小法廷(近藤崇晴裁判長)…

世田谷古紙持ち去り 回収業者の控訴棄却 東京高裁

ごみ集積所に置かれた古紙を無断で持ち去ることを禁じた東京都世田谷区の条例が憲法に違反するかどうかが争われた刑事裁判の控訴審判決で、東京高裁(長岡哲次裁判長)は29日、被告側の「憲法違反だから無罪だ」とする主張を退ける判断を示した。そのうえ…

住民訴訟に係る弁護費用の算出

標記の件に係る、今年3月28日の京都地裁判決(http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=04&hanreiNo=34488&hanreiKbn=03)に関する控訴審の判決が、市民オンブズマン事務局のblogにアップされていました。 【07/9/28 …

行政実例に従った措置が違法とされた事例

前述の「督促異議の申立てによる訴訟への移行」については、過去に行政実例に従った自治体が敗訴した事例があります。 ご参考まで、事例を引いておきましょう。 【昭和59年5月31日/最高裁判所第一小法廷】 大津市が市民税の納税滞納者に対し、地方税法…

名古屋市側に3800万円命令 住民訴訟、勝訴の弁護士報酬

名古屋市港区のごみ焼却施設「新南陽工場」建設工事の入札談合をめぐる住民訴訟で勝訴した市民グループが、約十二億四千万円の賠償金を受け取った市に、住民訴訟を担当した弁護士への報酬として約一億二千四百万円の支払いを求めた訴訟の判決が二十七日、名…

広島市暴走族追放条例の考察(その2)

広島市暴走族追放条例に関する法制執務的な問題点については、最高裁の少数意見の一部に同市の例規を引いて昨日掲載しました。→http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070925/p1 では、上記の広島市条例を類似する条例と比較してみると、どのような問題点が見えて…

広島市暴走族追放条例の考察(その1)

3対2でかろうじて合憲と認められた広島市暴走族追放条例に関する最高裁判決については、以前にご紹介しましたが(http://d.hatena.ne.jp/kei-zu/20070919/p2)、反対意見における法制執務的な指摘について、参考まで引用しておきます。 多数意見でも本条例…

暴走族の集会規制した広島市条例は「合憲」 最高裁

tihoujitiさんがご掲載の記事(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20070918#p1)経由で 暴走族の集会などを規制した広島市暴走族追放条例の規定が「表現の自由」などを保障する憲法に違反するかが争われた刑事裁判の上告審判決で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男…

建築計画公開訴訟 高松市に開示命令−高松高裁

tihoujitiさんがご掲載の記事(http://d.hatena.ne.jp/tihoujiti/20070901/p2)経由で 建築計画概要書の情報公開請求に対し、高松市が建物の場所などの情報を非開示としたのは違法として、愛媛県の地図製作会社が、市に非開示の取り消しを求めた訴訟の控訴審…